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タイムスリップ〜実技テスト〜
作:秋風透


いきなり俺はその『時計』を手に入れてしまったんだ。


朝目が覚めると腕には高くもなく安くもなさそうな銀色のアナログ時計が付いていた。
「……?は?」
意味がわからなかった。ただご丁寧に枕元には説明書が置いてあった。
『この時計は幸運の時計!三回までタイムスリップできるよ!!やったね!でも試作品なので……じゃなくてあまりの効果故に30分前までしか戻れないから注意!!』
「…ほぉ!…でも30分って……微妙だな……しかも3回……せめて試作品なのでって所くらい間違えてたらちゃんと消せよ……」

俺は呆れてしまった。

「結局肝心なタイムスリップの仕方が書いてないし……。」
もはやどうでも良かった。
とりあえず俺は学校へ行くため服を着替えて飯を食べた。そして玄関で………こけた。右をついた衝撃でアナログ時計についている時間の調整ネジがはずれる。

「ぶっちゃけた!!」

コロコロコロコロ。 ネジが転がる。それを俺は拾い上げた。
「とりあえずはめてみるか……」

ちょっと引き気味になりながらも一応ネジを差し込んでみる……。
カチャ。

「え?」
突如時計の表面が光始めた!

……目が覚めたら布団の中にいた。
俺は現状把握した。 「まさか……これで一回……?」
そのまさかだった。枕元の時計は先ほど起きた時間。7:00になっていた。
そして枕元にはまた紙切れが。
「あとタイムスリップの方法は脇に付いているネジを抜き取ってまた差し込むだけだよ!まぁ簡単!」「……っっ!!もっと早く言えよ!!」 もちろんその場には誰もいないが紙切れを書いた主に1人で突っ込んだ。

もう一度さっきと同じ行動をとり、今度は玄関でこけずに家をでた。
さっきと違うのは初めからテンションが下がっていた事だ。

「なんなんだよこの時計。あと2回しかねーし」
俺は1人事をぼやきながら登校して行った。ふと前の横断歩道をおばあちゃんが渡っている。
……トラックが突っ込んでくる!!
「まじかよ!!マンガじゃね〜んだぞ!!2回も登校したくねーし!!」
と言いつつも俺はすでに『タイムスリップモード』に入っていた。
しばらくして俺はまた同じ道を歩いていた。
「はぁ……俺ってお人好しなのか?……」
と言っているとさっきの交差点。

今度は………

おばあちゃんは普通に横断歩道を歩いていたがトラックは突っ込んで来なかった。

「へぇ……これを使うと未来が変わるのか…。」
俺はおばあちゃんが助かった事を少し嬉しく思いながら登校した。学校に着くと普通に何事も無かったかのようにすぐに放課後になった。
そして帰り道。家の近くで学校に宿題を忘れた事に気付いた。
確かあれは出さなかったら確実にトイレ掃除一週間もののかなり危険度の高い宿題………。だがここから学校まで普通に30分はかかる……。ダルい…。
「ん?…30分?……」
『タイムスリップモード』

校門前だった。
「♪」
結局本人が一番くだらない事に使ってしまったのである。

その夜家に着くと夜の臨時ニュースが流れていた。字幕には『〇〇ホテルに犯人は現在も立てこもり中!!』の字幕が流れていてリポーターがとてもせわしなくテレビの中継をしている。
画面が移り変わりヘリコプターからの中継で中の様子がチラッと移った。
小さな女の子が泣きながら窓際にいた。……頭に銃を押し付けられている。

「!!」

一瞬だが見てしまった俺は、チラッと腕時計を見る。だが自分がくだらない事に使ってしまったせいで回数はない……。
「ちくしょう……!俺の大馬鹿野郎!!」

本来なら自分が救えたのに……。
俺は悔しくて悔しくて思わず拳を握りしめた。この現状を救えたのは俺だけだと分かっていたからだった。
拳をつくりながらももう一方の手を時計のネジにかけた。
「頼む…!もう一度でいい…チャンスを!!」
俺は必死の思いで腕時計のネジを抜き、差し込んだ。
カチャ………



周りが真っ白になる。分かっているのは時計の針がものすごい速さで逆回りしていること。

朝だった。
枕元のデジタル時計は『今日』の日付をさし、時計も7:00だった。


「夢……だったのか?」

腕に時計は無かった。枕元に紙切れも無かった。

俺は『3度目』の登校をした。
とても気分は良かった。

夢だとしても現実だったとしても沢山の人を救えたからだ。
しかし俺は気付かなかった。
枕元に紙切れが落ちて来た事を。
紙切れには
『腕時計式タイムスリップ装置は完成品となったね!またいつか未来で君が沢山の人を救う為にとまたこの機械を作るのを楽しみにしてる。じゃあ僕はちゃんとした“タイムマシン”で帰るよちゃんとした大人になる事を祈ってる。
〜未来の君のうちの1人より〜』


調子に乗ってもう2作目です(-.-;)今回はわりと「ほぅ」となるような作品にしたかったんですが微妙ですね(´・ω・`)ただ最後には読んで下さった方々が少しでも「ほぅ」って思われたら幸せです(^-^)













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