Chapter.5 The truth in darkness
いつも通りの事件現場。
いつも通り解決して帰るはずだった。
…家に帰れば彼女が待っていると、安心した自分がいけなかった。
送ってくれるとの申し出を断り。
歩いて帰路に着く。
―――なんなんだろうか、この、嫌な予感は。
◇◆◇◆◇◆
Prrrrrr…Prrrrrr…
「―――はい、もしもし。工藤ですけど…」
携帯の画面に表示されるのは、『非通知』の文字。
番号を変えた知り合いからか、はたまたは間違え電話か。
『―――こんにちは、名探偵サン?』
聞き覚えのある声のはず…なのに。
何故だろう?
…別人の声に聞こえる。
「…ら、ん…?」
思わず確認してしまった。
当たり前だ。
…声の質は同じなのに、声色が全く違う。
『あら、バレちゃったの?面白くないわね…』
クスクス、と電話越しで笑う彼女。
…全然、イメージには合わなくて。
でも、何故かいつかこうなる事を予測していたかのように、頭の何処かでは冷静に考えていて。
「…どういう事だ?」
『ふふっ、どういう事もないわ。―――鈴木園子は預かったわ』
「!?」
『返してほしければ…Kビルに来なさい。―――そして…私のモノになったら鈴木園子は返してあげる…』
まあ…自分を選ぶか私を選ぶか…鈴木園子の命を選ぶか、ってところかしら?…彼女とは思えない声色。
…彼女は、『園子』ではなく、『鈴木園子』とフルネームで呼んだ。
どういう事だ?彼女達は…親友では、なかったのだろうか…?
『じゃあね…もうすぐ私のモノになる名探偵サン?』
何故、彼女は変わってしまったのだろうか。
ツーツーツー………
後に残るのは。
…虚しく響く、機械音だけだった―――。
◇◆◇◆◇◆
何処でどう間違えてしまったのか。
何処でどう狂ってしまったのか。
彼女は何故、あんなにも変わってしまったのか。
…それは分からない。
まだ、今のうちは…。
―――真実は闇の中にある |