白い空気(13/21)PDFで表示縦書き表示RDF


白い空気
作:アクア☆



歩と未来


『よっ!おはよ。』

 太一に挨拶をし席に着いた。

『司!おめぇ、いきなり電話切んなよな〜!』

 太一は、俺の机に座り笑顔で愚痴っぽく吐いた。

 ふぁ〜。眠い…。

『司?眠そうだな!未来ちゃんと何かしたんか?』

 イヤらしい顔つきでブツブツ言い始めた。太一の中で、冗談半分で言ったつもりだった。

『おぉ…徹夜!めちゃ疲れたぜよ…。』

 太一の冗談に付き合う事にした。太一の顔が見ものだ!

 案の定、驚いた顔で固まる太一。俺は、眠そうにあくびをした。

『マジ!司、未来ちゃんだよな!』

 太一は、一回未来を見に行った事があり、かなりの驚きっぷり。

『あの小柄の未来ちゃんと?嘘だろ?』

 太一と話してると時間がかかるから、ほどほどにして寝に入った。

『司!寝るんじゃねぇ!ココで寝たら凍死するぞ!』

 耳元でウルサいな。太一は、ふざけてんのか本気なのかわからない時がある。太一は、声がデカく、その声は仲間を集める。

『太一、どうした?』

 ほらね…。こんな時は、寝たフリ。

『司のヤツ、すげぇ可愛い子と一緒にいたんだってよ!』

『マジで?』

 相変わらず口軽いな…。あ〜、男連中集合だよ…。

『俺、本人見たもんさ!めちゃ可愛いかったし!』

 早く授業始まれ…。

『な?司!起きろよ、寝たフリ禁止だよ!』

 太一は、俺の肩をわざとらしく揺さぶり強引に起こした。

『太一、その子、いる所知ってんの?』

 男連中は、可愛いって聞いただけで、一度は見たくなるらしく…。

 俺はとっさに…

『太一!バラすんじゃねぇぞ!』

 少し真面目な顔で呟いた。

『それに、さっきのは冗談だよ!ただ、看病してて徹夜しただけだよ!』って、言って、また眠りについた。

『何だよ…。でも、一緒にいたのは事実なんだよな?』

 俺は、軽く手を上げホントに寝てしまった。

 あれ?未来だ…。何だ?パジャマのまんまじゃん。風邪良くなったのかな?

 未来は、俺に何か喋ってる。ん?聞き取れない……

 ……つか……司!

『ん?未来?』

『鷹山君!お目覚めかな?』

 先生?ん…、俺、寝ちゃったんだ。

『あ!すみません…。』

 笑って誤魔化した。

 ボケッとシャーペンを回しながら雑談を聞いていた。

 でも、昨日は大変だったな…。

 徹夜で看病なんて、何年ぶりだ?

 俺には弟、あゆむがいた。この四月で高校生だ。歩が、まだちっちゃい時、高熱をだした事を思い出していた。

 親は、身内のなんかの用事で泊まりだった時だった。二人でご飯を食べ、お風呂に入り、全部やってのけた。

 夜になり、歩が熱いって訴えて来たんだ。額に触れば、かなりの熱。当時、中学生だった俺は、どうして良いかわからなく、とりあえず寝かせた。アイスノンで冷やし。タオルで汗を拭く。水分をマメに取らせ、シャツを着替えさせた。

 それを、ひたすら寝ずにやった。

 歩がいたから、未来にも出来たのかもな。流石に、未来の着替えを俺がする訳にはいかないけどね。

 俺は、外を見ながら、そっと微笑んだ。

 未来…、良くなったかな。学校終わったら顔出すか…。












ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう