異見! 逆転のミッドウェー海戦!!
福本
「……作者、何の伏線だ?」
さて、何の事やら?
セルベリア
「完璧に何かの伏線でしょう?」
あはは……我が日本海軍に不可能は無し!
近衛
「貴様、華族筆頭近衛家の力を見くびっているのか?」
……百合奈、恐ろしい事を言うな。
大谷の話がおわっちまうぞ。
近衛
「う…」
大谷
「? とりあえず、本編をどうぞ」
1942年6月5日
ミッドウェー海域
水兵
「敵機直上!! 急降下!!!」
見張りの悲痛な叫び声に艦橋にいた誰もが振り向いた。
対空砲火が炸裂する中……零戦が必死に20mm機銃を撃つ中……狙われた赤城が必死に回頭する中……非情にも誘導架から離れた500ポンド爆弾が命中した。
ズガーーン!!!
「あ、赤城!!!」
目の前に展開されている光景に思わず叫ぶ。
『あの悲劇』を防ぐ為に自分はここに居る筈なのに!!
「何をボケッとしている!!?」
後ろから上官……と言ってもツーカーの仲だけど……に怒鳴られた。
「大丈夫だ! 一発程度で赤城は沈みはしない! それに、飛行甲板には艦上機はおらん!」
『彼女』の言う通りだ……艦上機のど真ん中に被弾した『あの歴史』に比べれば助かる見込みは段違いだ。
士官
「第二機動部隊の角田覚治中将より打電! 『敵機動艦隊を確認。これより攻撃する』以上です!」
この報告を聞いて直ぐに海図に目を向ける。
アリューシャン作戦をフェイントとし、第二機動艦隊を南下させたのは正解だった。
「これにMO機動部隊の祥鳳が加わればこちらの勝ちだな?」
「あぁ……油断は出来ないけど」
いくら『歴史』を見据えて対策を立てても、このように被害が出てしまった。
故に最後まで油断は出来ない。
士官
「大和の堀悌吉長官より打電。『ここは我らに任せ、特務艦隊は先行し、敵機動部隊を追撃・撃破せよ』以上です」
「うむ、わかった。全艦に通達、艦隊はこれより敵機動部隊を追撃する。続け!!」
8時間後……アメリカ機動部隊
フランクリン・J・フレッチャー少将にとって目の前で展開されている光景は認めたくなかった。
何故なら、こちらの攻撃隊は『天城型』空母に爆撃を成功させ、火災を発生させた。
戦果を拡大すべく、ヨークタウン、ワスプ、サラトガから新たな攻撃隊を発艦させ様としたときに、レーダーが北と南から接近する攻撃隊を探知、これが悪夢の始まりだった。
数の少ない南より、数の多い北の攻撃隊に向かって迎撃隊を差し向けた……これがいけなかった。
南の攻撃隊はゼロのみで編成した戦闘機隊で、僅かに残っていた艦隊直衛隊のF4Fは瞬く間に撃墜され、北に向かわせた迎撃隊を引き返させると同時に、増援のF4Fを各空母から上げたが、兵力の逐次投入となり、しかも、優位な位置からゼロに攻撃され、虚しく撃墜された。
更に迎撃隊も北のゼロに後ろから攻撃され、壊滅した。
後は日本海軍のやりたい放題で、オザワ(機動)部隊からの攻撃もあり、ワスプが撃沈、サラトガ・ヨークタウンが大破した。
そして、今は………今の方が最悪だった。
サラトガ・ヨークタウンの処置に手間取っている内に、日本艦隊が迫って来た……しかも、今までアメリカ軍を散々な目にあわせてきた戦艦『カガ』・『トサ』の艦隊だった。
ガガーン!!
士官
「ミネアポリス、被弾!!」
移乗する筈だったミネアポリスが被弾した。
敗北は確実だった……。
数時間後………
士官
「敵残存艦艇、撤退を開始しました…どうします?」
「武士の情けだ。逃がしてやろう」
確かにそうだ…既に決着はついている。
「フレッチャー少将は駆逐艦に移乗して退避したみたいだね」
「だから、撤退命令も出た訳か…さて、ヨークタウンはどうする? このまま引っ張って帰るか?」
サラトガは到着前に自沈処分され、ヨークタウンのみが曳航準備を終えたまま、浮かんでいた。
「あぁ…今は一隻でも貴重だからね」
「よく言った。では、曳航するとしよう」
……こうして、ミッドウェー海戦は日本海軍の勝利で終了した。
暫くして………
「はぁ……」
月の出た夜の甲板に出た自分は溜め息を吐いた。
ここまではいい……問題はこれから先の戦況の流れが何処まで自分の『知識』と重なり、活かせるかの問題だ。
「早く休まないと、風邪を引くぞ」
「その言葉、そっくりそのまま、君に返すよ」
上官の言葉にそんな応えを返す。
それはそうだ……あまり言いたく無いが、何がで倒れて、正体がバレでもしたらどうする気だ?
「せっかく人の忠告を無視する奴がいるか…大和から連絡があった。赤城の消火は成功、赤城は護衛を付けて一足先に本土へ帰すそうだ」
「そうか……良かった」
「それで…やはり次はソロモンか?」
「あぁ、多分…イギリスが手を引いても、オーストラリアはアメリカと共同戦線を張るだろうね…」
「あまり嬉しく無い話だ…それまでにイギリスとの交渉が纏まればいいが…」
「山本軍令部総長の努力次第かな…まあ、オーストラリアがイギリスの言うことを聞くかもあるしね」
「ふむ……まあ、明日はいよいよミッドウェー島だな」
「『占領後は施設を破壊し、撤収する』…今回は敵機動部隊の撃滅に的を絞ったからね。明日も忙しいな」
「だから、早く休めと言ったんだ」
「君もだよ…さて、部屋に帰って寝よ」
「だな…そんなに寝れないがな」
翌日……大和以下戦艦群と第一機動部隊の天城、飛龍、蒼龍の艦上機と第二機動部隊の攻撃により、ミッドウェー島は陥落した。
こうして……『歴史』は別の展開へと向かっていった……。
「何を見ているんだ?」
背中越しからノートを見る彼女。
サッと見て、中身を理解したらしく、呆れた様に言った。
「また、あの時のノートを見ていたのか…飽きん奴だな」
「うん…あの時、あの場所に居た唯一の『証』だからね」
苦笑しながら応える。
あの時、果たしてこの様な事になると思っていただろうか?
いや…決して思っていなかった……。
「爺臭い奴だな」
「はいはい、爺臭い奴ですよ」
そう言ってノートを閉じる。
「まあ、それは遠の昔に解っていたからな…そのお陰で、あの歴史があるしな」
「……あ〜、空は広いな〜」
屋上の床に寝転んで呟く。
広く青い空を眺める……彼女と再び、こんな風にまったり、ゆったり出来るとは……。
「…はぁ、人の話を聞かん奴だな」
グイッ……ストン
モニュ
「ん…?」
顔を持ち上げられ、次の瞬間には何故か軟らかい感触が………
「……膝枕など、余りしないからな」
顔はそっぽ向いてるが、下から眺めるだけでも見える紅潮した頬。
そんな彼女を見ながら、青い空を膝枕で眺める。
過去を振り返りつつ……未来を夢見る…それもまた一興なり…。
「今度の日曜日は何処に行く?」
「そうだな……2人で桜並木を歩きたいな…少しおめかししてな」
「あはは…あぁ、いいよ」
……膝枕の感触を感じながら、未来を思うのであった。
END
評価
ポイントを選んで「評価する」ボタンを押してください。
ついったーで読了宣言!
― お薦めレビューを書く ―
※は必須項目です。
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。