僕を捕まえてこういった。
「ぶつかったらあやまらなくっちゃ駄目だよ」
僕は慌ててごめんなさいと謝った。
君はどこに行くのと壁は聞いた。
えっとえっとわからない。僕には行きたいところがなんて本当はなかったのかも。
壁は言った。
「地図ばかり見てたら駄目だ。誰かの作った地図に君の行きたいところが書いてあるわけないよ。」
じゃあどこに書いてあるの?
僕はいつもよけて無視ばかりしていた壁と向かいあって見た。
壁は言った。
「自分の地図は持ってないの?じゃあ自分で地図をつくらなくっちゃ。私に登ってごらん」
僕は少し面倒だったけどがんばってみた。
汗もかいて疲れたけどなんとか登れた。
そこからはいろいろなものが見えた。遠い向こう大きな変わった町があって
とてもきれいでそこにすごく住みたくなった。
そこにすごく行きたくなった。
「どこか行ってみたい所はあったかい?」
うん、あったよ。
行き方もなんとなくわかったよ。
僕は壁と一緒に地図を作った。
今度また別の壁にぶつかったらよけてばかりいないでたまには登ってみようと思った。
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