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泣けるユーモア短編集 作者:水本爽涼
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-96- 見えない戦い

 楽しみにしていたカラ揚げ弁当の具材が二品にひんも減ったことで、豆川はすっかりテンションを下げていた。というのも、今までなら、厚焼き卵のひと欠片かけらと少量の牛蒡ゴボウのキンピラが入っていたからだ。
『最近、すべての品が目減りしているように思える…』
 豆川は、見えない戦いが物流社会の中で起きている…と、なんとなく思った。事実、内容の目減りは各分野の商品で起きていた。トイレット・ペーパーの巻きの減り、ウインナ・ソーセージの小型化、袋入りのチョコレート数の減り・・等々である。とはいえ、それは泣けるほどのことではなく、減ったのか…くらいの感覚で軽く流せば、どうってこともなかったのだ。ところがドッコイ! 豆川は甘いものきながら、そんな甘い男ではなかったから、カツン! と頭にきた。人々が泣ける世の中は、断じて俺が許さんっ! とえらそうに正義感をあらわにした。
「あの…これ、数が減りましたよね」
「ああ、そうみたいですねぇ~。でも、ひと袋の値も¥10ばかり安くなりましたよ」
「…」
 店員に嫌味いやみを言ったつもりが、逆に切り返され、豆川は、つまらんことを言ってしまった…と自悔じかいして押し黙った。
「ああそれから、袋入りのお餅が1ヶ、増量になりましたよっ!」
「フフッ! そうですかっ!」
 単純な豆川のテンションは、見事に回復した。
 世の中では見えない戦いが続き、私達はその戦いに左右され続けているのである。泣ける、笑える、怒れる・・の差は、ほんの紙一重かみひとえなのだ。

                   完
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