挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
泣けるユーモア短編集 作者:水本爽涼
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

92/100

-92- 癖(くせ)

 本人が無意識で知らず知らずにやってしまうことをくせという。無くて七癖、あって四十八癖・・とかいわれるが、コレだけは本人が自覚しないとなおらないが、中には病的になおらず、ぅぅぅ…と泣ける性質のものもある。
 尾焦下おこげは以前から治らない心理的な癖でなやんでいた。というのは、見た女性を委細いさいなく、すべて好きになる・・という癖である。好色魔にすっかり魅入みいられた格好だが、これだけはどうしようもなく、成るにまかせる他はなかった。その妙な癖は十日とおかもすれば、ケロッ! と消え去る性質のものだったから、他人のみならず、尾焦下自身にも理解できなかった。
 世の中とは広いようでせまいものである。あるとき、尾焦下が買物で街を歩いていると、十字路で一人の女性と出会いがしらに接触した。尾焦下もその女性も他意がない偶然の接触だったのだが、尾焦下は接触の瞬間、かつて感じたことのないビリッ! と身体に走る電流のようなものを感じた。相手の女性もそのようで、どちらからともなくあやまっていた。
「どうも、すいません…」
「いえ、私こそ…」
 のちのち分かったことだが、その女性にも以前から治らない似通にかよった心理的な癖があった。それは、見た男性がすべて嫌いになる心理的な癖だった。ところが、尾焦下との接触以降、その妙な癖は跡形あとかたもなく消え去ったのである。むろん、尾焦下の方も同じで、二人は妙なところで±[プラスマイナス]が中和し、妙なことに離れられなくなり結婚したのだった。
 癖は、泣けること以外に、こうした慶事も起こすのである。めでたし、めでたし。^^

                   完
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ