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泣けるユーモア短編集 作者:水本爽涼
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-91- ご飯(はん)騒動

 朝から市松いちまつでは、ごはんき加減を巡る一大騒動が勃発ぼっぱつしていた。とはいえそれは、某国の内戦のような血生臭ちなまぐさい泣けるような騒動ではなく、飽くまでも口論、人間関係の不和以上のものではなかったのだが…。
 下町の、とある中流家庭である。
「ほんとにっ、父さんはっ!! 入れ歯を入れて下さいよっ! 毎度、毎度! こんな雑炊ぞうすいみたいなご飯、嫌ですよっ!」
「なにぃ~~っ!! お前なっ! 文句言うくらいなら、自分で炊けっ!」
 居間では、朝から主人の古太郎こたろうと息子の新一しんいちの間で、食事を巡る口論が勃発していた。和間の長机ながづくえの上には、妻の和代かずよが作った各種の料理皿が置かれ、長机をかこんで家族八人が座っている・・といった構図である。
「まあまあ、お父さん! お食事どきですからっ…」
「そうだよぉ~。お前は、だいたい口煩くちうるさいんだよっ! 誰に似たんだろうねぇ~、いったい!」
 今年、卒寿を迎えた祖母のようが茶々(ちゃちゃ)を入れる。
「母さんは黙ってて下さいっ! これは私と父さんのっ!」
 そこまで新一が言ったとき、新一の子で末っ子の幼稚園児、住也すみやが突然、参加した。
「黙って静かに食べましょう・・って先生、言ってたよ!」
「ははは…住也が言うとおりだっ!」
 住也の長兄で中学生のはしらも加わる。
「そうよっ!」「そうそう!」
 姉の小学生、美柄みつか、次兄のはりも合流した。こうなれば、古太郎と新一は押し黙る以外にはない。いつしか、ご飯騒動は泣けるようなことも起こらず静まった。

                   完
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