挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
泣けるユーモア短編集 作者:水本爽涼
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

90/100

-90- 陽気(ようき)

 陽気というのは妙なもので、陽気ようきがいい・・と言えば、なんとなく場がはなやぐ。逆に、なんか陰気いんきだなっ! となれば、場は急にシラけてしぼむ。どちらも目には見えない雰囲気だが、陽気は世の中には欠かせない存在だ。というのも、世の中はどうしてもマイナス要因をみちびきやすく、陰気な様相を帯びやすいからだ。分かりやすい例だと、事件、事故などだが、私達の生活に直結した暮らし向きなどでも見られる。
 うららかな春、とある公園のベンチで、どこにでもいそうな二人の老人がベンチで話し合っている。
「日銀がゼロ金利・・とかでしょ?」
「そうですなぁ…。この国、大丈夫なんでしょうか?」
「はあ…。この先、あまり大丈夫でもなさそうですな、ははは…。陰気な話です」
「ポカポカと陽気はよくなりましたがっ! ははは…」
「ええ、そのとおりでっ。金をあずけけることもできゃしないっ!」
「と、いうことは、どうなんです? 銀行のお金は?」
「お金が預けられない訳ですから、お金がない・・ってことですか?」
「はい、まあそうなりますか…?」
{はあ…。まあ、そうなるでしょうな。ということは、金を貸し出せなくなる?]
「はあ…。まあ、そうなるでしょうな。となれば、益々(ますます)、世の中、陰気になりますか?」
「はい! まあ、陽気にはならんでしょうな」
「負のスパイラルですか? アホですな」
「ええ! アホ、バカ、チャンリンってやつですよ。政策が守りの陰気政策です。もっと陽気にやらないとっ!」
「バッ! と?」
「バッ! とは、バブルでダメでしょうが…。国力を梃子てこ押しするそれなりの色気は必要なんでしょうな」
「色気は陽気? ですなっ!」
「そう、陽気! 好景気にモノトーンは似合わないっ!」
「なるほどっ! ということは、日銀はっ?」
「陰気政策ですから、アホなんでしょうな、きっと。ははは…」
「ははは…陽気な私らにはごえんのない世界の話ですがっ、ははは…」
「ははは…忘れましょ、忘れましょ。それにしても、いい陽気だっ!」
「ですなっ!」
 陽気は大らかで、泣けることはないようだが、実は値上がりで楽しみにしていた天麩羅うどんが食べられなくなり、泣ける思いの二人だった。

                   完
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ