挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
泣けるユーモア短編集 作者:水本爽涼
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

84/100

-84- 落ちぬ先の針金(ハリガネ)

 転ばぬ先のつえ・・とは、よく使われる故事・ことわざである。何事をするにも、前もって用心しておけば失敗をふせぐことが出来る・・とかの意味だ。
 日曜の朝、鋒先ほこさきが歯をみがいていると、ふと、壁にかけられた鏡のひもが切れかかっていることに気づかされた。このままでは危うい! …と、瞬間、鋒先は思った。当然のことながら、フロアへ落ちれば割れ、ぅぅぅ…と泣けることになるのは必死ひっしだった。
「ははは…落ちぬ先の針金ハリガネか、こりゃ」
 歯を磨き終えた鋒先は、意味不明な言葉をつぶやくと、細い針金を用意した。そして切れかかった紐の通っている穴に針金を通してゆわわえた。
「これで、大丈夫。めでたしめでたし…。落ちぬ先の針金か。ははは…」
 鋒先は、また笑いながらひとりごちた。切れかかった紐と針金でるさ背手やるれた鏡。万一、紐が切れたとしても針金があるから大丈夫・・ということになる。
 世は受験シーズンに突入していた。鋒先も例外なく受験生の一人だった。担任の教師は、「この頭じゃ、A大は文句なく無理だからB大、いや、B大も今一な…C大にしときなさい」と、言いにくいことをズケズケと言った。鋒先は『こ、この野郎! 覚えてろっ! 目にものみ見せてやるっ!』と口走りそうになったが、思うにとどめた。よ~~く考えれば、落ちぬ先の針金か…とも思えからだ。鋒先はA大2部を針金にし、A大は落ちたが割れなかった。今は人事院に採用され、国家公務員3種職で働きながら2部に通っている。
 落ちぬ先の針金は、泣けることから人を救う。^^

                   完
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ