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泣けるユーモア短編集 作者:水本爽涼
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-81- 決められない

 決めたいときにはビシッ! と決めたいものだ。ところが溶岩ようがんはドロドロけて固まらない男で、ビシッ! と決められなかった。
 一人の男が、とある街路を歩いてきた。
「また、あんたか…」
 溶岩の名を口にするのも嫌なのか、いつも進路を妨害ぼうがいされている非難ひなんは、あんた・・呼ばわりをした。
「はあ、どうもすいません…ただ、私は交通ルールを守っているだけなんですが…」
「そりゃそうだろうが…。歩道が左側にあるだろ?」
「でも、人は右です。ここは日本ですから。学校でそうおそわりました」
「…まあな。警察でも、そう言うだろうが…」
「どうなんでしょうね? こういう場合は?」
「そんなこと、俺が知るかっ!」
 溶岩にかれた非難は、思わず熱くなった。
「ですよねぇ~。ずっと決められないんですよ、私」
 溶岩は泣けるような声で言った。
なやむほどのことでもなかろうがっ! 警察で訊けよっ!」
「はあ…」
「実は俺も決められないんだ。今日の昼、蕎麦にするか、うどんにするか…」
 非難も泣けるような声で言った。
「そんなこと、私、知りませんよっ!」
 非難に訊かれた溶岩は、思わず熱くなった。
なやむほどのことでもないでしょうよっ! 両方、食べなさいよっ!」
「ああ…」 
 決められないのは、実にもどかしいのである。

                   完
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