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泣けるユーモア短編集 作者:水本爽涼
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-79- 現役

 現役といえば、今も活動している状態である。当然、その逆は、退役とかOBと呼ばれる存在だ。お金でも使われなくなった旧札きゅうさつや硬貨は、すでに現役ではない。人なら現役でなくなっても、まあ監督とかコーチといったスタッフとして活躍する場もあるが、お金の場合はただの紙屑かみくず、金属屑でしかない。それがたとえ過去に¥10,000の価値があったさつだとしても・・単なるゴミなのである。まあせいぜい、古銭商に売買されたりはするのだろうが、それでもり取りされる値段は骨董こっとう的価値でしかないだろう。と、なれば、現役である状況は、大いに値打ちがあるということになる。
 とある中央省庁である。明日付けをもって定年退官する部長の出顎であごが庁舎を挨拶回りしている。
「お疲れさまでした。いよいよ明日でお別れですなぁ、出顎さんっ!」
「いやぁ~どうも…。奥目おくめさんには何かとお世話になりましたっ!」
 出顎は部長仲間の奥目に手を差し出し、笑顔で握手を求めた。二人は数年の年の違いこそあれ、古くからの飲み仲間として付き合ってきた間柄あいだがらだったのだ。
「ははは…私だって現役は、もう数年ですよ。そのせつは、よろしくっ!」
 何をよろしく? なのかは知らないが、奥目は握手をしながら意味不明な言葉をいた。
「分かりましたっ! その節は…」
 出顎にはそれが分かるのか、軽く応諾おうだくした。
 現役を一端いったん引く出顎だったが、すでに新しい現役復帰への舞台は用意されていた。その舞台への根回しを奥目はあんに言ったのだ。どこかで聞いたような話ではある。^^
 現役後、ただの人となり果てる人々にとって、ぅぅぅ…と泣けるうらやましい現役話だ。

                   完

  ※ 旧札、旧硬貨は金融機関で現行通貨と換金すれば、価値は旧通貨と同じように使えますから悪しからず。^^
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