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泣けるユーモア短編集 作者:水本爽涼
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-78- 青春

 青春はいい! 実にいいものだ。誰しも人生に一度だけ経験する貴重な時代である。これをおろそかにすると、一生を棒に振ることになる。楽しんで学び、そして汗して笑い、悩んで、泣いて・・と、激しく生きることが出来る時代なのだ。なんといっても、若いから体力が充実している・・というのが一番の強みだ。ところが、ここに糠星という、なんとも草の名のようにずぅ~~っと青春をやっている、なんともしぶとい男がいた。この男、泣けるようなドジな男だったが、ドジっても、またドジっても、めげずに青春を生き続ける男だった。要は、何事にも動じない鉄の男、いや、刃金ハガネのような男だったのである。
「ははは…、そりゃ僕ですから失敗もしますよ、ははは…」
 糠星は失敗して当然! とでもいう顔で、軽く笑った。それを聞いた上司のすすきは、秋のような枯れた目つきでうらめしげに糠星を見つめた。芒にすれば、『こんな男にまかせた俺が馬鹿だった!!』という泣けるような気分なのだ。そんな気持とは露ほども知らず、この春、還暦かんれきを迎えた糠星は、相変わらず青春をひた走っていた。会社の定年制が廃止され、糠星の青春は、まだまだ続くように社内の誰もが思っていた。
「まっ! 仕方ありません。次は頼みますよっ、糠星さん! 次はっ!!」
 芒は泣けるようなあきらめ声で、キッパリ! と弱く言い切った。内心は、『フンッ! 誰がお前なんかに頼むかっ!』である。そんな気持とは露ほども知らず、糠星は、やはり、青春を大らかにひた走っていた。
 青春とは・・自分は泣けず、他人が泣ける時代なのかも知れない。

                   完
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