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泣けるユーモア短編集 作者:水本爽涼
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-74- 我慢(がまん)

 人はグッ! と我慢して、何かを守り、何かをる・・らしい。もちろん、ジッ! と我慢する場合もあるだろう。いずれにしろ、我慢しないと自分の思い上りを知ることが出来ないようだ。思い上りを知らないと、横着おうちゃく生意気なまいきな人間にドンドン堕落だらくし、ぅぅぅ…と泣ける奈落ならくの底へと落ちていくことになるという。ははは…そんな馬鹿なことはないさっ! 人生は我慢などせず、横着に生きてよこしまに生きりゃいいのさ・・と言う人もいるだろう。確かに、そういう生き方もある。しかし、その生き方には必ず、落とし穴が待っていて、やはり止めどない奈落の底へと落ちていくそうだ。
 とある小学校である。教室の後ろに立たされた、一人の生徒が我慢できず、教壇の教師に叫んだ。
「先生っ! もうダメですっ! 行かせて下さいっ!!」
「ははは…なにをおっしゃるウサギさん。その声じゃ、まだまだっ!」
 教師は笑顔で全否定した。過去のデータからして、この生徒の限界は、まだまだ…と推測したのだ。
「いや、ほんとに先生!! 今日は、もう…。ぅぅぅ…」
 泣けるような声の生徒は、ついに我慢しきれず、フロアへ崩れるように腰を下ろした。そして次の瞬間、気味きみ悪く、ニッコリと笑った。
「どうしたっ! まだまだか?」
 教師は、やはりなぁ…と思ったのか、笑顔でそう返した。
「いえ、僕、ダメでした。へへへ…」
「なっ! なにぃ~~っ!」
 教師は生徒の言葉に、思わずとり乱した。
「へへへ…見事に全部、出ましたっ!」
 誰からともなく生徒達から嬌声きょうせいが響きだした。と、同時に、悪臭が教室内にただよい始めた。生徒達は我先われさきへと教室から逃げるように走り出た。
「ト、トイレへ走れっ!」
「が、我慢はしたんですが、へへへ…」
「で、出るまで我慢するなぁ~~っ!」
 そう言うと、教師も教室から逃げるように走り出た。漏らした生徒だけが笑顔でフロアに腰を下ろし、余裕の顔でたたずんでいた。
 我慢には限界というものがあり、それを超えると、やはり泣ける事態にいたるようだ。

                   完
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