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泣けるユーモア短編集 作者:水本爽涼
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-73- 疣(いぼ)

 あっても困らないが、場所によっては都合が悪いのがいぼだ。尾籠びろうな話にはなるが、具合が悪いのが肛門部である。が疣状になるもので、ぅぅぅ…と泣けるようなことにでもなれば難儀なんぎすることこの上ない。それに比べ、なんとも愛くるしい疣もある。
 とある役場で昼休みをする先輩と後輩職員の会話である。
「これ…格好悪いでしょ? …取ろうと思ってるんですよ」
 後輩職員が片方の耳を指さし、訥々(とつとつ)と言った。
「なに言ってんだ。君の一番のチャームポイントじゃないかっ!」
 先輩職員は後輩を一喝いっかつした。
「そうですか?」
「そうだよっ!」
「そうかなぁ~?」
 そこへ昼の外食を済ませた連中がゾロゾロと帰ってきた。
「もちろんっ! なっ!」
 先輩職員は帰ってきた連中に話を振った。当然のことながら、帰ってきた職員達には皆目かいもく、意味が分からない。
「はぁ? 何のことです?」
「疣だよ、疣っ! 疣、疣っ!」
「… …?」
「先輩、そんなに疣、疣って言わなくってもっ!」
「疣の話なんだから仕方ないだろっ!」
「分かりましたよっ! もう、いいですっ!!」
「おお! 分かってくれたかっ! さすがは疣の君だけのことはあるっ!」
 そこまで聞けば、疣の話か…とは、帰ってきた連中にも分かる。  
 それ以降、後輩職員は[疣のきみ]という渾名あだなで職員達に呼ばれ、そのことで、ぅぅぅ…と泣ける思いをしているそうである。
 疣ではなく、格好悪い渾名で泣けるのだから世の中とは皮肉なものである。

                   完
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