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泣けるユーモア短編集 作者:水本爽涼
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-72- メンタル

 聞き間違ってもらっては困る。レンタル[借用する]ではない。メンタル[心理の]方である。このメンタルというやつは、なかなかに手ごわい。人を悩ませたり泣かせることが多いからだ。
 いつやらも登場した深毛ふかも禅寺ぜんじの境内である。
「ほう! やはり、また来られましたなっ!」
 来るのを予期していたかのように、管長かんちょうの沢傘が男を出迎えた。男は、これもいつやら登場した男である。
「また、お世話になりますっ!」
「やはり、また動きましたかな?」
「いや、今回は動いてはおらないのでずか、モヤモヤした心理面の雑念が…」
「おお!! それは、いけませんなっ! メンタル面のケア~は大事ですからな」
「ほう! 管長も、なかなかの外国通でらっしゃいます…」
「ははは…いろいろと外国の方もお参りされる時代ですからな。日夜、学んでおります」
「管長さまがですか?」
「はいっ! いつぞや、ぅぅぅ…と泣ける大恥おおはじを。この年で、お恥ずかしい限りでございます」
「して、それは、どのような?」
「? 忘ましてれましたな、ははは…」
「メンタルな恥ですか?」
「そうそうそれっ! 外国のお方が本尊を指さされ、『コレッ! メンタル?』とおたずねされましたもので、つい、『レンタルは出来ません』と返しましてな。偉い大恥でございました」
「ははは…メンタルは泣ける・・ということですか?」
「メンタルはメンタルで、ですかな。ホッホッホッ…」
 沢傘と男は笑いながら寺の中へと消えていった。
 メンタルは泣けるほど複雑怪奇で、ケア[介護]を要すのである。

                   完
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