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泣けるユーモア短編集 作者:水本爽涼
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-65- 効(こう)

 こう・・とは、時代風に言えば、してやったりっ! と、すぐれた結果を得ることだが、世の中はしたたかで、なかなか効を成すのは至難しなんわざである。トンビ油揚あぶらげ・・で、ぅぅぅ…と泣けることは多いが、効をあげて、ははは…と笑えることは少ないのだ。それは、動物界の弱肉強食とまではいかないものの、それなりに生存競争がきびしいのが人間社会だということに他ならない。
「波止場さん、どうでした?」
「それが、なかなか手ごわいんですよっ、相手は。この分じゃ、契約までけるのは難しそうです、汽笛さん」
「そうですか…。あそこは、なかなか守りが堅いですから。食い込めれば、いいんですが…」
「こうなりゃ、一夜城しかありませんっ!」
 歴史好きの波止場は、戦国時代の某武将の出世城となった墨俣すのまた築城ちくじょう逸話いつわを口にした。
「一夜城…ですか?}
「はいっ、一夜城ですっ! 効を成してご覧に入れましょう」
 一ヶ月後、波止場は、相手会社を蹴破けやぷり、ものの見事ごとみに一夜城を完成させた。いや、契約を成し遂げた。会社に効をもたらしたのである。にもかかわらず、会からの恩賞はなかった。いや、音沙汰はなかった。波止場は帰途の夕陽の中、ポォ~~~!! っと泣けるような思いを、グッ! とこらえた。
「まあまあ…」
 汽笛は格好よく波止場の肩をで、むせぶように慰めた。
 効を成しても、見返りは期待しないのがいい。

                   完
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