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泣けるユーモア短編集 作者:水本爽涼
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-6- 感無量女優

 いい意味で泣ける・・ということがある。所謂いわゆる、感無量といえる状態で、心理は感動に打ちふるえ、ぅぅぅ…となっている訳だ。こうなると、自然と脳神経の命令で涙腺るいせんゆるむことになる。緩めば当然、涙がほおを伝う・・と、こうなる。ここまで感無量になれるには、相当、感がきわまらねばならない。芸能方面、特に演劇の関係では、この集中力が要求され、この技量にけた者は名優と呼ばれる。要は、その人物に成りきれるかいなか・・ということに他ならない。
 とある撮影所近くの大衆レストランである。片隅かたすみ一角いっかくで監督と助監督とおぼしき二人が食事をしながら話をしている。
川蟹かわがに座里ざりちゃん、最近、メキメキ腕を上げたねぇ~。そうは思わない?」
「いやぁ~そうなんですよ。何かあったんですかね? 以前と全然違う。演技にはばというか、あじのようなものが…。今日の感無量のシーンなんて、私まで泣けて困りましたよ」
「そうそう、旨味うまみがねっ! いやぁ~、僕も泣けて目頭めがしらあつくなったよ。で、この次のやつ、主役のキャストで考えてんだけどね、どう思う?」
「ええ、いいんじゃないですかっ!」
「そうか、感無量女優の誕生だなっ、ははは…」
「ははは…感無量女優ですか」
 泣ける演技が上手うまい感無量女優は笑えるのだ。

                  完
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