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泣けるユーモア短編集 作者:水本爽涼
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-48- トラブル

 トラブルには目に見えたトラブルと見えないトラブルがある。見える方は修正しやすいが、見えないトラブルは厄介やっかいで、原因がなかなか判明はんめいせず、ぅぅぅ…と泣ける場合が多い。
 日曜の朝、とある普通家庭の居間である。
「何を朝からゴチャゴチャしてるのっ?」
 娘の真菜が父親の一樹かずきいぶかしげに見ながら言った。
「お前、これどうすりゃいいか、知らないかっ?」
 一樹は目の前の長机の上に置かれたノートパソコンをいじくりながら、えらそうに上から目線で言った。娘に弱みを見せたくないっ! という父親特有の物言いだ。
「パソコンがどうかしたのっ? お母さんがご飯にするからって…」
 真菜は肩透かしで用件だけを言った。
「ああ、そうか…」
 肩透かしを食らった一樹にすればかたなしである。といって、メンツもあるから頼む訳にもいかず、さて…と困った。
「フリーズか…」
 チラ見し、パソコンのトラブルに気づいた真菜がきびすを返しながら捨て台詞ぜりふいた。親としては無視されたようで形なしである。
「お、お前な…。分かってんなら、なんとかしろやっ!」
 今度は強権発動である。
「そこは、お願します・・でしょ?!」
「…お願します」
 小声で一樹はボソッと返した。
「どれどれ…」
 真菜が弄り始めると、パソコンのトラブルは数分で、何ごともなかったように解消された。
「じゃあね…」
 真菜は格好よく立ち去った。
 トラブルは父親の威厳いげんをなくすのである。

                   完
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