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泣けるユーモア短編集 作者:水本爽涼
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-44- ったくっ!

 他人から、ったくっ! とダメを出されれば、誰しもテンションが下がる。下がる程度ならまだしもで、り直してOKが出ればいい訳だが、問題はいくら遣り直してもOKが出ず、ぅぅぅ…と泣ける困った場合である。当然、テンションはダダ下がりとなり、前向きなアグレッシブさも消えせてしまう。そうなれば必然的に、…ったくっ! と相手を益々(ますます)、怒らせることになり、らちが明かない。
「ったくっ! 君は何をやらせてもポカがあるねぇ~。この仕事、向いてないんじゃないのっ?!」
「はぁ…」
 上司の課長、矛坂ほこさかにダメを出され、盾板たていたは、この日もテンションを下げていた。こう毎日、テンションが下がれば、一過性いっかせいではないこじれた慢性まんせいの炎症のようなもので、日常生活に影響が出る・・というものである。盾板の場合も、ご他聞たぶんれなかった。
 散々、矛坂からお小言こごとを頂戴し、すっかりテンションを下げた盾板は、ガックリ! と肩を落として自分のデスクへもどった。そのとき、昼のチャイムが課内に響き渡った。
「ぁぁぁ…、めしにするかっ!」
 課長席の矛坂が急に両腕を広げ上げ、ひとまわししながら大声で言った。
「はいっ!!」
 その言葉を、盾板はテニスのリタ-ンエースのような剛速球で打ち返した。盾板のテンションは完全に回復していた。
「ったくっ! お前は食うことだけはポカをせんなっ!」
 ふたたび矛坂は盾板にダメを出した。課内が爆笑のうずとなった。だが、盾板のテンションは、このときばかりは下がらなかった。
 食い気は、ったくっ! の影響を完璧かんぺきね返す力があるようである。

                   完
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