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泣けるユーモア短編集 作者:水本爽涼
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-41- 花粉症

 春めくと花粉症がにわかに脚光きゃっこうびるようになる。植物の杉の花とかが咲き、花粉が一斉いっせいに空気中へ放出されるシーズンが到来するからだ。そうでない人は別にど~ってこともないが、花粉症の人々にとっては、ぅぅぅ…と泣ける試練の季節となる。完璧かんぺきな治療も望めず、マスクとかで予防する他はないからだ。
水尾みずのおさんは気楽でいいですねっ! 私なんか、もう頭が痛い季節で…」
「ああ、そういや藁小路わらこうじさんは花粉症でしたねっ」
「そうなんですよ、苦難の季節です。まだ、雪でこごえてるほうがいいっ! ぅぅぅ…」
「なにも泣くことはないでしょ!」
「いや、これが泣かずにおかれますかっ! ぅぅぅ…数ヶ月はっ!」
なおらないんですか?」
「予防法はあるんですが、完璧に治る! というのは体質だそうで、無理なようです…」
 話しながら藁小路はマスクを装着そうちゃくし始めた。
「そうなんですか…」
 水尾はそのとき、おやっ! といぶかしく思った。庁舎の中に居て、別に花粉が飛ぶ屋外へ出る用もないからだ。理由はすぐ分かった。藁小路がぅぅぅ…と泣けるほど苦手にがてとする中年キャリア女史じょし皺宮しわみや副部長が近づいてきたからだった。
 花粉症は苦手から顔を隠す、いい道具にもなるのだ。

                   完
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