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泣けるユーモア短編集 作者:水本爽涼
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-33- 不言実行(ふげんじっこう)

 これからやろう! と思ったことを、口に出してペラペラ話したりすると、出来なくなってしまい、ぅぅぅ…と泣けることになる。しよう! と思えば、だまってやるのが得策とくさく・・ということに他ならない。
 快晴の春五月、小気味こきみよい風がほほでる草原のキャンプ地である。手羽崎てばさきは、妻と子供二人を従え、このキャンプ地へ来ていた。他にも何組かの家族が思い思いにテントを張り、アウトドアを楽しんでいる。すでに11時を回り、そろそろ、どの家族も昼食の準備を始めようとしていた。
「ははは…おとなりは、どうもバーベキューのようだな。うちはカレーにしよう!」
 お隣りの家族が車からバーベキューセットを下ろしたのを見ながら手羽崎は、はっきりと妻に言った。
「カレー? カレーは夕方の予定だったんじゃないっ? お昼はコレッ! でしょ?!」
 妻が持ってきたサンドウイッチが入ったバスケットを持ち上げ、ふくづらで言った。それもそのはずで、手羽崎の妻は朝早くから起き出し、家族四人分のサンドウイッチを精魂せいこん込めて作っていたのだ。手羽崎も手羽崎だ。玉ネギ、ニンジンなどの野菜を言う前にくか切るかしていれば、「なんだ…もう始めちゃったの? 仕方ないわね。じゃあコレ、お三時にね…」くらいの話にはなったはずなのだ。それが、調理ナイフを取り出したとき口にしたものだから直撃を受け、無残にも撃沈したのである。不言実行していれば、カレーが美味おいしく食べられた・・ということに他ならない。まあ、サンドウイッチだからタマネギで泣けることはなかったものの、手羽崎の気分は、ぅぅぅ…と泣けることになってしまった。
 言わぬが花・・とは上手うまたとえたもので、物事はやってから話そう…程度の不言実行ふげんじっこうの気持が必要・・ということになる。

                   完
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