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泣けるユーモア短編集 作者:水本爽涼
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-26- サクラサク

 年が明けると、いよいよ受験シズーンの到来とうらいである。桜咲く・・サクラサク・・これはもう、受験生にとっては、なんとも心地よい響きの言葉である。合格通知なら思わず顔はゆるみ、ニコリ! となるが、逆に、ぅぅぅ…と泣ける者も出る。
「あ~あ…全然、咲かなかったなぁ~」
 魚乃目うおのめは合格電報を手にガックリと肩を落としていた。大学は落ちるわ、肩は落ちるわ…サッパリだっ! と低いテンションで泣ける気分を如何いかんとも出来ず、魚乃目は深い溜め息を一つくのだった。
 気晴らしに街へ出ると、偶然、同級生だった黒子ほくろに出会った。
「おう! 魚乃目!」
「なんだ、黒子か…お前、どうだった?」
「まあ、なんとかすべり止めは受かった」
「よかったなっ! 俺は全滅ぜんめつだっ…」
「全滅か…まあ、気落ちすんなっ!」
 黒子は魚乃目の肩に片手を軽く置いた。
「家の都合で浪人は出来んからなっ!」
「お前、人事院の3種、受かってたろ?」
「ああ、まあな…」
「だったら、とにかく就職して、夜学でいいじゃないかっ!」
「ああ! その手があったなっ! そうするか…」
「見ろっ! 桜が満開だっ! 落ちた者にも桜は咲くっ!」
「ぅぅぅ…」
「ははは…美味うまいものでも食うかっ!」
「ああ…」
 二人は元気に歩き出した。
 合否ごうひに関係なく、季節が巡ればサクラサクとなる。

                   完
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