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泣けるユーモア短編集 作者:水本爽涼
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-20- 適度

 適度とは、ほどよい状態・・ということだ。熱くもなく冷たくもない、ほどよい湯加減・・これはもう、寒い冬場にかれば老若男女ろうにゃくなんにょたまらないはずだ。世の中では、あらゆることに言える事実だ。
 とある公民館の一室である。あちらこちらで、老人達二人が向かい合い、将棋や囲碁が指されたり打たれたりしている。
「いやいやいや、それはダメでしょっ! 桂馬けいまの高飛び、餌食えじきっ! 飛車を打たれてみですっ!!」
「詰む訳がないでしょ!? それは見損みそんじです。この石には生きはありますよっ! 後手一眼ができ、二眼ですからっ!」
「二眼できてるって? 必死がかかってるじゃないですかっ! 即詰そくづみでしょうがっ!」
「いやいやいや、六目半のコミは出ないでしょう」
「コミ? ? …なんだ、碁でしたか…」
 そんな会話が、耳が遠いご老人の間で(か)わされている。これが混線問答といわれる高齢者特有の会話である。この程度ならまだ適度な会話として成立するのだが、ここへボケ老人が加わると適度とは言えなくなるから厄介やっかいだ。
「ええっ! 私ゃ、昼はザル蕎麦そばと決めとるんですわっ!」
「なにもそんなこと言ってないでしょ! 詰みだ・・と言ったんですっ!」
「私はコミは出ない・・と…」
「ブランド牛のヒレステーキ、美味うまいんですよ」
「ぅぅぅ…」「ぅぅぅ…」
 適度が消えると話がややこしくなり、泣ける。

                   完
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