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泣けるユーモア短編集 作者:水本爽涼
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-18- 先読み

 これから先、起こるであろう…と考え得る読みすじあやまると、取り返しがつかない失態を呼ぶ。これが囲碁、将棋、チェス、トランプなどの場合では敗着はいちゃくとなる。囲碁、将棋などのプロ棋士が、プロ風に、「見損じですね…」とかなんとか、いかにも私は専門家だ…と言わんぱかりの上から目線で語る先読みのミスだ。これは何も対戦や試合などに限ったことではなく、すべての社会生活で起こり得る事実なのである。
 春近い、とある定食屋の前を二人の社員が話しながら次第に近づいてきた。
「フフフ…今日の日替わり定食は焼肉だろっ!」
 東雲しののめは勝ちほこった口ぶりで、もう一人の同僚どうりょう黄昏たそがれに言った。
「ははは…それはお前、先読みが甘いっ! 俺の直感だと、昨日きのうのアレからして…そう! たぶん、生姜しょうが焼きだっ!」
「んっ? その根拠こんきょはっ!」
「だって、お前。昨日はトンカツだったろ?」
「ああ、まあ…。それが、なぜ生姜焼きだ?」
「そら、そうさ。俺のデータ分析によれば、トンカツの次の日は、ほぼ100%の確率で生姜焼きなんだっ!」
「ほう…それはなぜだ?」
「さあな? たぶん、余った豚肉をスライスして生姜焼きにするんじゃないか? 材料費の関係でなっ!」
「なるほどっ! そういや、うちの会社もそうだな…」
「ああ…有効利用って訳だ」
 二人が店前の暖簾のれんを上げ、店内へ入ると、その日の日替わり定食はアジフライだった。黄昏の先読みは完全に甘く、ハズレだった。黄昏は面目めんもくを失い、ぅぅぅ…と、テンションを下げた。
 先読みが甘いとテンションを下げることになるようだ。

                   完
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