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泣けるユーモア短編集 作者:水本爽涼
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-11- 世の流れ

 川の流れと同じで、世の中の動きにも見えない流れがある。その流れは、あるときは猛々(たけだけ)しく、世の人々がぅぅぅ…と泣ける事態を引き起こす。その典型的な例が自然災害で、これだけはどれだけ世の中で権威を振るう人でも手に負えない。そんな世知辛せちがらい世の中を、スイスイと何の苦もなく器用きように流れる女性がいるのだから、これはもう特技としか思えない。当の本人は、この潜在能力を自覚していないのだから、人の世は面白い。
「はい、分かりましたわ。時間には到着できるよう行かせますから。…はい! なにぶん、よろしくお願いしますぅ~」
 丘間おかま専務は電話を切ると、女っぽく営業統括部長を社内インターホンで専務室へと呼び出した。
尾那辺おなべ、参りましたっ!」
 尾那辺は男っぽく、堂々と言った。
「あら、尾那辺さん。実はあなたの手腕を見込んで明日の11時までに、なんとかして欲しいの」
「何を? でしょう!」
「人材派遣よぉ~」
 尾那辺には世の流れをつぶさに感知し、社内業績に貢献してきた実績があった。
「明日の11時ですねっ?!」
「ええ。…大丈夫?」
「分かりました。なんとか、しましょう!」
「詳細は、この紙に書いてあるの。読んだらすぐにあなたの責任で処分してちょうだい」
「はっ!」
「私、祈ってます」
 数十分後、尾那辺に召集されたメンバーの一人が人材確保に世を流れ始めた。そして次の日、その人材が派遣先へと出向した。尾那辺は今回も世の流れをスイスイと男のように流れ、丘間は、ぅぅぅ…と女っぽく喜びにむせんだのである。

                   完
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