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影踏み
作:悠月


「影踏み」

黄昏に君を探して
薄暗闇に
君を見失うの
曖昧に近づいては
離れていくの
新月の夜にだけ
そっと口付けして

夕闇に君の面影探して
寂しさに
己を失うの
優しく頬を撫でて
涙を拭いて
閉ざした瞼に
そっと口付けして

月の明るい夜ならば
君を捕らえに参りましょう
けっして交わらぬ螺旋に
想いを描いて
月の欠けた夜ならば
君を優しく抱きしめましょう
淡く揺らめく幻想に
身をゆだねて

真黒の闇に君を探して
手を伸ばし
君を捕まえたの
互いに溶けて
もう誰だか分からない






「無題」

ざわめきも
苛立ちも
全て振り切って
青い青い空切り裂いて
風に乗って
優しい木立揺らそう
水面を滑って
瞬く星に手を伸ばそう

君はまだ殻の中
優しい夢の途中
何時か
悪夢が襲うだろう
怒りや悲しみに囚われて
君は翼をねだるだろうか

怒りも
悲しみも
断ち切って
だけどいつか君は気づくのよ
それすらも
愛おしいと

君は知っているの
地の獣は空を飛べないと
足を絡めとられもがくだけ
だけどいつか気づくのよ
それすらも
愛おしいと

それに気づいたならば
四角いソラに無限を見出して
共に落日に溶けようじゃないか





「涙」

頬を伝う暖かさ
拭うことも出来ずなすがまま
悲しみではない
嬉しさでもない
まるで
途方もない力に押し流されるように
溢れ落ちる


















ここまでお読みくださいましてありがとうございます。実は『影踏み』『無題』は他の物語に入れようと思っていたものなのですが、話自体をまとめきれなかったので詩だけのせてみました。ご意見、ご感想いただければ幸いです。













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