明日は天気になればいい
あーした天気にしておくれ。
まどにべったりはりついて、てるてる坊主もぶら下げて
リュックを背負って外をみる
明日は、大事なかかさまとちちさまとお花畑に初参戦。
だけどもお空は曇り顔。
時たま出てくるお月様も七色のカバーで雨対策。
前からしていた約束の日をまだかまだかと待ちわびていたうさぎのまーくんは、
必死に雨様にお願いしてる。
どーか明日は降らないで?
明後日降ってもいいから、お願い明日は降らないで?
それを聞いてたかかさまは
まーくん。雨様のお仕事は何か知ってる?
聞かれたマー君はすこし考え、答えます。
かかさま。雨さんってお仕事あるの?
雨さんが降ったらお外に出られないし、お出かけの邪魔ばっかりするよ?
それを聞いたかかさまは、ととさまに向かってくすっと笑って答えます。
まーくんはととさまにそっくりね。
ととさまも昔、同じことを言ってたわ。
ととさまは少し苦い顔をして、
まーくん、マーが食べる草達は誰が育ててくれているか知ってるか?
マー君は、首を縦に大きく振りました。
知ってるよ!いつもニコニコお日様が育ててくれているんだよね!!
自身ありげに胸をはり、ととさまに向かって答えます。
ととさまは、苦笑いを深くして
かかさまは、思いっきり大爆笑。
ととさま?かかさま どうしたの?
まーくんは、目をまん丸に聞きました。
ととさまは、かかさまを少し恨めしげにみてマーくんの頭をなでてくれました。
まーくんは、気持ちよさそうに目を細めて、聞いてきます。
かかさま ぼく何かした?
かかさまは、まーくんに答えます。
だってまーくんの答えはね、昔のととさまそっくりなのよ。
うれしくなってわらちゃった。笑ってごめんね。
きょとんとした目でまーくんはととさまを見ました。
そしてととさまは苦笑いで答えてくれました。
まーくん、実は草はな、お日様がかかさまで雨さんがととさまなんだ。
だから両方いないと寂しくて元気に育たないんだよ。そう言ってかかさまが俺に教えてくれたんだ。
それを聞いたまーくんはびっくりして飛び上がり、あわてててるてる坊主をはずしました。
草さん、ごめんなさい・・・
ポツリとつぶやいた一言に、顔をみあわせ幸せそうに手をつなぎます。
優しい息子の成長は、夫婦の何よりの宝物。
夜はまーくんを夢の世界へといざなって明日の訪れを待っています。
明かるい日が、まーくんを明日も大きくしてくれることでしょう。
夫婦は、同じことを考えながらマーくんを優しくなでています。
明日は天気になればいい。
でも明日が天気になったかは、また別のおはなし