テイルズオブミクリヤ〜狩人〜第六章縦書き表示RDF


多少グロテスクな表現を含みます
テイルズオブミクリヤ〜狩人〜第六章
作:勇者



『……っ貴様…』


『弟にむかって貴様はないんじゃね?』


膝をついて倒れる一水に昌也がいう


『ちぃ…図にのるな!!』


一水が切りかかる


『やかましい』


昌也も防御から切り返しに入った


もともと村長の一族に入る昌也と一水は剣術の戦士だ


古き時代から今にあたって村を修めてきた理由はその強さにあった


神速と言われる程の速さと剣捌は普通の勇者では手も足も出ず、切り刻まれるのが落ちだ


それは今のボロボロにされている一水も例外ではない


『ほら』


昌也がみねうちで脇腹にいれる


『…がっ!!』


そのたびに一水は唸りごえをあげ、動きが雑になっていく


『ははっ!ほぉれ』


ぐちゃぐちゃになった動きをうけながし、肘、脇腹、脛、こめかみなど痛いところを徹底的にみねうちを叩き込む


『なぁんだ…もぉ終わり?』


しだいに一水は動かなくなっていった



『糞が!!』


一水が地面を叩く


『どうしたんだい?兄貴ぃ?ずいぶん弱ってるみたいだけど』


『黙れ!!』


『!?』


一水の変わり果てた表現に昌也は面食らった


『なぜなんだ!?お前ばかりが!!』


『なんの話だよ?』


『ふざけるな!!お前ばかりが戦いの才能に恵まれて俺がどんな思いをしてきたか分かるか!?』

『知るか』


昌也があっさりかえす


『なっ…』


『才能がないのはお前の不運だろ、いちいち熱弁するなうっとうしい』


『お前にはわからないだろう!!時期村長が弟よりも弱いと罵られる兄の気持ちが!!』


『………』

『俺の気も知らねぇでべらべらと御託ぬかしやがって糞兄貴が…』


昌也の表情が強ばる


『お前ばっかりが酷いめにあったみたいに言いやがって…じゃあお前に分かるのか?俺の気持ちが!』


『…お前に負い目なんて』


『あるに決まってるだろうが!!』


『………っ』


『せっかくの才能も次男だから意味がないだと?』


『……誰が…そんなこと』


『どうせ兄貴の手足になってのたれ死ぬだと!?』


『……一体誰が…?』


『村には誰も俺の見方なんていねぇと覚えた』


『…そうだ!だからあの時俺と一緒に来いと…』


『ふざけるな!重さに耐えられなくなったお前とは違うんだよ!!』


『…!!』



『ナズチさんやケンクさん、ユーキさんや近藤達がバーバリアン討伐に俺を連れていってくれた!こんな俺でも必要にしてくれる人はいる!だから俺は村に尽くすと決めたんだ』


『やっぱり違う、違う違う!!そんなのまやかしだ!!信じられる訳がない!』


一水が叫ぶ


『やっぱり変われないのか…兄貴…』


『……俺が…俺が』


一水は呟いている


『その首をせめて俺がとってやる、できるだけ早く楽になってくれ…兄貴』


『俺が…』


昌也は刀を振り上げる


『俺がお前を取り込んでオレガオマエニナル』


『!?』



『がぁぁぁあぁぁあぁぁあぁぁあ!!!!!』


一水の体に異変が起こる


『兄貴!!お前まさか!?』


『オレガ……オレガァァァァァァァ!!!!』


『売っちまったのか!?』


『ガアァァァァァア!!!!!!』


『お前は!捧げちまったのか!?邪竜に!!』


『ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!!!』


一水の体が光輝いて昌也は目も開けることができない


『ゴオォォォオオ!!!!!』


一水の体から出た光は消え、異変は収まる


『あ…兄貴』


その姿は赤黒く染まり、全身からどす黒い魔力が滲み出る邪竜人となっていた


『どうりでおかしいと思ったんだ…』


昌也は一筋の涙を流した


『いくらなんでも兄貴位の力で四天王なんかになれる筈がない…そういうことかよ…』


地面に落ちた涙の音の反応して一水が昌也を睨む


『ゴォォォオオ!!!!』

『途中まではよかったんだ…途中までなら……でも…そこまで解放したらもう………戻れない…』


一水が昌也に向かって近づく


『それなら!俺の手で殺す!!』


昌也は一番のスピードで一水に切りかかる


しかし一水は本当の一瞬で昌也の後ろに回り込み


『畜………生が』


その鋭い爪でゆっくりと腹部を貫いた



段々短くなってきた













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