1.バスケットボールが地面を転がった。
聞こえたのは変声機の声だった。
「ソシキノアジト・・・オシエテヤル」
変声機を使ってるという事は完全に分かる。平次の顔が歪んだ。組織のアジトを言い終わった時平次は言った。
「それはどういうことや?何者や自分」
「さあね・・・楽しみにしてる。高校生探偵」
「!・・・まさかお前」
一方的に電話が切られた。ジョディの声が聞こえた。
「私達も全力を尽くしてアジトを探すわ」
「・・・鳥取県」
「え?」
「服部?」
平次は顔をあげた。
「組織のアジトはそこや!今すぐそう伝えてもらえんか!」
「服部・・・」
部屋で立ちっぱなしの少女。変声機をはずす。
「高校生探偵?あたしが組織に戻ったらあなたはどうする?そのお詫びに私はアジトを教えたのよ」
携帯の着信音が鳴る。電話に出た。声の主は菫。
「決心ついた?」
「ええ・・・」
「家の前に居るの。出てくれない?」
怪菜は荷物を持った。部屋を見渡す。快斗と冬止は今日は寺井と一緒に図書館だ。
「ばいばい・・・ありがとう」
怪菜は玄関のドアを開けた。現れたのはベルモットと菫。
「鳥取に行く準備は出来てる?」
「ええ・・・勿論」
「あら、快斗お兄さん。冬止君と一緒に絵本でも読んでるの」
「うるせっ」
小泉紅子はカードを取り出した。DETH・・・死神と書かれている。
「ん?」
「悪い予言よ、何か悪いことが起こるわ。信じるか信じないかはあなたの勝手だけど」
「悪いことねぇ」
「信じたほうがいいですよ、紅子さんの占い結構当たりますから」
耳障りな声・・・振り向くとそこには・・・
「はっはっはぁ・・・・白馬ーーーー」
「そこまで驚かなくてもいいじゃないですか、怪盗キッド君」
「じゃあ、私はここで消えるわ」
「逃げんなー紅子ー」
携帯の着信音が鳴る。
「こんなときにメールかよ」
多分開いて正解だっただろう。メールの内容はこうだった。
───ばいばいお兄ちゃん。今までありがとう
「黒羽君・・・黒羽君?」
時が止まれと何度願っただろうか・・・
「ねえ景斗。景斗はどうしてここにいるの?」
気になって気になって仕方なくて聞いてみることにした。真実を知りたくて・・・どうしても。
「え?」
「この黒染まった地に景斗・・・お前は何故居る?」
「何でそんな事聞くんだ?あちっ」
ココアをはでにこぼした景斗。机にこぼれ床に雫となり落ちる。七海の足元にそれが届く。
視線を上げて七海の視界に入ったのはバスケットボールだった。景斗も同じ事を思ったのだろうか・・・
「バスケ・・・やるか?」
「いいの?出ても」
「俺はジョーカーだ」
「あ・・・そっ」
───そうこの後・・・そん時の景斗の顔はきっと忘れないだろう。勿論、景斗もそうだろうな
「では、さっき言った通りに作戦を開始しよう。服部君の言ったとおりに姫琴菫のコンサートは鳥取県が何故か多い。事務所もだ」
「なるほど」
「情報は少ない灰ビルとなった場所等を探す」
「あの・・・僕達は」
本堂と平次がそちらに瞳を向けた。
「本堂君たちは・・・sorry」
「そうですか・・・」
ジョディはコナンの頭をなでた。
「でも・・・この子は借りてくわ。いろいろ役立つしね」
「え?」
「うん!OKジョディ先生」
コナンは笑っていた。睨んでいたのが・・・平次だった。その後・・・
「服部君、服部君!」
「何や?本堂」
「最近思うんだ、服部君に壁が出来つつあるんじゃないかって」
平次は振り返った。本堂の目はしっかりしていた。
「新一君は確かにいいなと思うよ、FBIともうまくいってて・・・でも」
「もう言うなや、分かっとる。でもな・・・多分これから工藤とは意見が合わへんことになる・・・そう思うんや。それよりさっそくアジトに潜入や」
「え?」
「住所もばっちし聞いたで」
「いいんですか?そんな事・・・」
「いいんや。まあ今日は遅いから明日にしよか。外に出たらなんかいい作戦が浮かぶと思うで・・・行くで」
「うん」
それが事のきっかけになるとも知らず二人は外を出た。公園に向かったことが悲しみと気が付かずに。
「ねえ、バスケなんてあんたまだやってたの?」
「公園でフリースローはな。多分お前のほうがうまいんじゃないか」
「当ったり前」
七海のボールはゴールにボールがすっと入った。
「なあ、お前分かったのか?H.Hの奴」
「え?」
「言ってたじゃんか。小さい頃上着くれた大阪弁の男の子。『寒いから泣いてるんやろ』って」
───大阪弁で私と同じくらいの男の子・・・
彼の顔が脳裏に浮かぶ。瞳に涙が浮かぶ・・・
「服部平次・・・」
「え?」
「もしかして・・・」
「七海・・・」
「え?」
景斗と七海は顔を上げた。そこにいたのはポケットに手をつっこんでいる平次と本堂。
「平次・・・本堂」
「七海さん」
バスケットボールが地面を転がった。
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