{Spear Of Thunder}
だってさ…。
あんな美女だぜ。
夢の中としてもさ…。
『いっしょになって下さい』
って、潤んだ瞳で迫られたら、男なら誰でも、
「はい」
って言うよ。
だけど…それが、罠だったなんて。
あの時、もっと瞳の奥を覗いていたら。
指輪とピアスなんて…受け取らなければ…。
「何をぼおっとしている!戦闘中だぞ」
アルテミアが、叫ぶ。
何百というゾンビの群れ。
今は、使われていない地下鉄の廃線は、ゾンビの巣と化していた。
「しゃらくさい!一気に、片付けてやる」
アルテミアの鎧が、赤く燃え上がる。
両手に持つトンファーを合体させると、アルテミアはブーメランのように投げた。
炎を纏ったブーメランは、次にゾンビを切り倒し、燃やし尽くす。
「上位進化!」
アルテミアが叫ぶ。
「え!?」
僕は慌てる。
そんなに、HPがあったけ。
「多分…足りないと…」
恐る恐る告げる僕に、
「足りなきゃー死ね!」
アルテミアは一喝すると、両手を広げた。アルテミアの体を、風が包む。
竜巻のように舞い上がり、地下鉄の天井を突き破ると、地上から空へ。
大空に、白い翼を広げた。
その姿はまさに、天使だった。
ブロンドの髪を靡かせ、今出てきた穴に向かって、両手を突き出す。
「あのお…何をなさるんですか…」
「黙っとけ!どうせ、ゴーストタウンだ!」
アルテミアの手のひらから、巨大な火の玉が放たれ、
地下道どころか…眼下に広がる町が、消し飛ぶ。
地面をえぐり、さらに地下からマグマが噴き出した。
一瞬にして、辺りは火の海になった。
「やりすぎだ!」
僕は叫んだ。
「ゾンビの大群やるだけで、町一個破壊って…バイオ○ザードより、酷い」
「何それ?てめえの世界のことなんて、知るか!」
炎の海から、ブーメランが飛び出してきて、2つに別れると、アルテミアの腕にトンファーが戻った。
こんな酷い女と…いっしょになったなんて…。
僕はずうっと…後悔することになる。
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