Side 大樹
あれから1年、毎日毎日修行は俺がぶっ倒れる半歩手前まで続けられている、自ら望んだこととはいえ少し……いや、かなり……、いや、正直死ぬほどきつい。
最初のユニゾンの結果から俺は修行する形態をセイバー・キャスター・アーチャーの3つに絞った、近・中・遠の距離をそれぞれ担当させることで使う形態を減らしてその分修行の密度を上げることにしたのだ。
さらにセブンに聞いたところによるとバーサーカーに関しては肉体が強化されればその分強くなると言うことなのでバーサーカーは体ならしに週一で軽く確認するだけに収めることになった。
………現実逃避してもしょうがない、今は現実を見よう。
「聞いているのかしら? 貴方どうやってここに転移してきたのよ」
俺の目の前にはなんせあのプレシア=テスタロッサがいる。
(いつも!思うが!!なんでさぁぁぁぁぁ!!!)
第四話 コンディションレッド発令、戦闘態勢に入らんと死ぬぞ! 的な事故発生
──────事の始まりはいつもの訓練で初めてキャスターの転移魔法の訓練をしていた時のことだった。
「それじゃあ始めましょうか。」
『制御は慎重に行わないととんでもない場所に転移してしまうから気をつけることね』
キャスターが話しかける、転移魔法と言っても距離にして十数メートル、この転移魔法は瞬来の応用のひとつで歩いていったほうが早い距離だ、が、さすがに初めてで長距離を転移する度胸は無い。
「………座標認識完了、転移開始!」
すると俺の足元に魔方陣が映し出される、だが
『大樹! 貴方術式設定間違えてるわよ!!』
「なん……」
俺が言い終わる前に転移魔法が発動する。
────────────光が収まり目の前にいたのは
「……貴方、だれ? どこからここに来たのかしら」
無印ラスボスたるプレシア=テスタロッサでした。
どうしたものかと考えていると
「……だんまりかしら、それならいいわ、このまま消えてもらうだけだから」
トンでもねぇこと言い出したよ! ヘルプミー! 誰か助けてー!!
『言っても誰も助けてなんてくれないわよ』
わーってるよそんなこと!
「……残念だけどそうはいかないわね、ただの転移事故で殺されるなんて笑い話にもならないわ」
「それはこちらの台詞よ、このままのこのこ返してしまうわけにはいかないわ」
そういってデバイスを構えるプレシア、しかしそうはさせない。
「先手必勝!、いくわよ!」
紫光弾を連射する、この1年みっちり特訓したおかげである程度制御できるようになった魔術のひとつだ。
「小賢しいわね」
プレシアは一瞥しただけで障壁を展開して防いだ、これは予想通り。
あたりには着弾した紫光弾が砂煙を上げ視界を妨げる。
『キャスター、今のうちにサポートはいいから元の場所の座標を入れ始めてくれ』
『わかったわ、絶対に無茶しないことね』
これでよし、後は時間を稼ぐだけだ。
俺は後ろに向かって前進だ、決して逃げるわけではない。
「……随分と喧嘩っ早い割に逃げ足が速いじゃない」
砂煙が無くなり俺の背中を見たプレシアが呟き
『photon Bullet』
手に持つデバイスから電子音、いきなり攻撃してきやがった。
「くぅっ! 人の背中に向かって攻撃をする貴方に言われたくないわ!」
そう言ってとにかく避ける、上に避ける左に避けるしこたま避ける、ってちょいまて! フォトンランサーがサンダーレイジに変わってないか!? いくらなんでも広域攻撃魔法は避け切れんぞ!
それでも避け続け障壁で守り続けているとようやくキャスターの準備も整った。
俺はもう一度目をくらまそうと紫光弾を撃とうとするがプレシアはその隙すら与えない。
(成り行きとはいえ初実戦がオーバーSランクはいくらなんでもきつい!!)
「避けてばかりで勝てるのかしら!!」
「あいにく魔力を無駄遣いしたくないのよ!」
「その余裕もいつ……ゴホッ!ゴホゴホゴホ!!」
いきなし咳をし始めた、そういえばプレシアって持病あったな、よく見たら顔色悪そうだし。
何はともあれこれはチャンス。
「惜しかったわね、さようなら、二度と会わないでしょう」
キャスター形態ではね、他の形態は知らないけど。
そのまま転移魔法で急いで転移前の場所に戻る。
……今度はちゃんと移動できた、ぶっつけ本番だったけど火事場の馬鹿力ってやつか? とにかく助かった。
「「ユニゾン・アウト」」
「ハァー………、死ぬかと思ったーーーーー!!!!!」
「本当ね、あのまま攻撃を続られたら間違いなくやられていたでしょうね」
融合を解除してその場に座り込む。
「もーだめ、キャスター今日に限っては修行無理! 実戦訓練みたいな物だったしこのハプニングだけでもう十分だよ!」
そういってキャスターを見る、が、
「だめよ、今日の戦闘を忘れないうちに戦闘魔術の復習をしておかなきゃ♪」
ものすごいイイ笑顔で言われてしまった。
「いや、もう、だめだってば、やめっ」
アッーーー!!!
Side out
Side キャスター
「まったく、この程度で気絶するなんて情けない、でもまぁ今日は無理もないわね」
確かに今日はただの転移訓練と何時もの魔術訓練だけのはずがいきなりの実戦、しかも本当に生死のかかった殺し合いに放り出されたのだ、消耗して当然。
しかし、今まで訓練だけで実戦経験皆無だった大樹が自分より遥かに実力のある相手に逃げ延びた。
多少幸運であった所もあるが逃げるにも最低限の実力が伴わなければならない、相手の攻撃を的確に防御し回避した所から大樹の実力もかなり伸びた。
「……このまま修練していれば大化けするかもしれないわね」
そのためにもさらに魔術修練のレベルを上げるとしましょう、魔道具作成も教えていかなければならないわね。
ども〜、初めての戦闘シーンをお送りした作者です。
この作品でのキャスターの魔術はFate/Unlimited codeからとっています、ご理解をお願いします。
初実戦ですが戦闘相手を悩みました、できるだけ後腐れ無い様な相手を探していたらプレシアさんになっちゃいましたww
オーバーSランクですがまぁ逃げるだけなら今の主人公でも大丈夫だと思ったので採用しました。
他にいい相手いたかなぁ?
この後番外編をはさんでいよいよ無印本編を始めたいと思います。
ようやく本編、作者の胃腸は大丈夫でしょうか?ww
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