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蜘蛛ですが、なにか? 作者:馬場翁
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85 蜘蛛VS火竜決着

 鰻がその長い体をくねらせる。
 これまでの攻防で、鰻は私のことをかなり警戒しているようだ。
 猿ほどじゃないけど、この鰻も他の魔物に比べると頭がいい。
 それだけこっちはやりにくいけどね。

《熟練度が一定に達しました。スキル『思考加速LV2』が『思考加速LV3』になりました》
《熟練度が一定に達しました。スキル『予見LV2』が『予見LV3』になりました》

 その天の声(仮)に合わせるように、鰻が動いた。
 体をくねらせ、その尻尾を叩きつけてくる。
 もちろん回避。
 けど、鰻の攻撃はそれだけで終わらない。
 すぐさま尻尾の横薙ぎが私に襲いかかる。
 さらに後ろに下がってそれを回避。
 今度は尻尾と反転するように、頭がこっちに向かってくる。

 私が待っていたのは、それだ。

 思考加速で若干ゆっくりとなった世界の中、迫る鰻の口を凝視する。
 避けられると判断するギリギリのところで、毒合成を発動。
 すぐに退避する。

 ナマズと全く同じ戦法。
 けど、その効果は絶大。
 鰻は私の予定通りに、その猛毒を口にすることになった。

 鰻のHPが急速に減っていく。
 苦しみもがく鰻が、その体をデタラメに暴れさせる。
 私はその暴れる範囲から離脱する。

 結局のところ、攻撃力が両方とも同じ一撃必殺の力を持つなら、先に攻撃を当てたほうが勝つ。
 それなら、どうやって攻撃を当てるのか、その作戦が優れたほうが勝つに決まっている。
 さらに言えば、私の回避力は、鰻の命中力を上回る。
 命中レベル10と確率補正の力を持ってしても、私の回避、思考加速、予見のコンボには届かなかった。
 だから、地上に鰻を引きずり出した時点で、私の勝率はグッと上がっていたのだ。

 けど、まだ終わりじゃない。
 一撃必殺の威力とはいったものの、恐らく鰻はあの一撃では死なない。
 ナマズでも一撃では殺しきれなかったし、その上位種である鰻がそれで死ぬとは思えない。
 それに、鰻にはまだあのスキルの力がある。

 私の見ている目の前で、鰻のHPが急速に回復していく。

『生命変遷:SPを消費してHPを回復する』

 火竜のスキル、そのレベル3の技だ。
 SPが消費され、HPがその分回復していく。
 SPの量的に全回復はムリだけど、それでも猛毒に耐えるだけのHPは確保できる。
 さらに、私が見る鰻の鑑定結果に、新しく『毒耐性LV1』と『HP自動回復LV1』が追加される。
 それでも体内の毒は鰻のHPを少しずつ削ってるけど、ダメージのピークは過ぎた。

 まあ、私がむざむざ鰻が復活するのを黙って見てるわけがないんだけどね。

 鰻の体に、できる限り頑丈に作った糸を巻き付ける。
 それでもすぐに燃え尽きちゃうだろうけど、構わない。
 一瞬だけでも鰻の動きを止めてくれればいい。

 狙い通り、一瞬だけ動きを止めることに成功する。
 その瞬間、私は鰻の顔めがけて毒合成を連発する。
 猛毒の水玉が鰻の顔にいくつも当たる。

 鰻が糸を引きちぎって暴れまわる。
 口や目から侵入した毒は、容赦なく鰻のHPを減らしていく。
 その速度はついさっき取得したばかりの自動回復でどうにかなるレベルじゃない。
 その威力はついさっき取得したばかりの毒耐性で凌げるレベルじゃない。
 私がこの蜘蛛としての生で研ぎ澄ませてきた武器は、そんな即席で作った盾で防げるほど生易しいものじゃない。

 もはや回復するためのSPも残されていない鰻に、この攻撃を耐え切ることはできなかった。



《経験値が一定に達しました。個体、スモールポイズンタラテクトがLV7からLV8になりました》
《各種基礎能力値が上昇しました》
《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》
《熟練度が一定に達しました。スキル『並列思考LV4』が『並列思考LV5』になりました》
《熟練度が一定に達しました。スキル『SP回復速度LV2』が『SP回復速度LV3』になりました》
《スキルポイントを入手しました》

《経験値が一定に達しました。個体、スモールポイズンタラテクトがLV8からLV9になりました》
《各種基礎能力値が上昇しました》
《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》
《熟練度が一定に達しました。スキル『瞬発LV8』が『瞬発LV9』になりました》
《熟練度が一定に達しました。スキル『持久LV8』が『持久LV9』になりました》
《スキルポイントを入手しました》

《経験値が一定に達しました。個体、スモールポイズンタラテクトがLV9からLV10になりました》
《各種基礎能力値が上昇しました》
《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》
《熟練度が一定に達しました。スキル『演算処理LV6』が『演算処理LV7』になりました》
《熟練度が一定に達しました。スキル『視覚強化LV8』が『視覚強化LV9』になりました》
《熟練度が一定に達しました。スキル『生命LV8』が『生命LV9』になりました》
《スキルポイントを入手しました》
《条件を満たしました。個体、スモールポイズンタラテクトが進化可能です》

 勝った!
 第3部完!
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