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蜘蛛ですが、なにか? 作者:馬場翁
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47 どくどく

 今日も今日とてコソコソと移動移動。
 上層エリアの迷路ゾーンはものすごい数の分かれ道ばっかりだったけど、この通路はずっと一本道だ。
 迷わなくていいけど、この道が最下層に繋がってたら、私戻れなくなるんじゃね?
 あー、嫌な想像はしないでおこう。
 きっと中層に繋がってる!
 そう信じよう!

 さて、そろそろ赤のゲージが減ってきた。
 前回タニシ虫を食べたけど、あれは本当に最終手段にしときたい。
 今も壁を見れば数匹ノソノソいるけど、進んで食べようとは思えない。
 そりゃね、あんだけ不味けりゃ魔物も食いたがらないわけだよ。

 そういうわけで、まだゲージに余裕があるうちになんとか普通の食事にありつきたいところ。
 毒持ちの魔物を普通と言うかどうかは置いといて。
 まあ、私毒持ち食いまくってきたしー。
 今更ってやつだしー。
 美味しいもの食べたいなんて思ってないしー。
 …カップ麺が恋しい。

 さてさて、前方ヨシ!
 後方ヨシ!
 周りに危険種なし!
 よしよし。

『エルローランダネル LV8 ステータスの鑑定に失敗しました』
『エルローランダネル LV7 ステータスの鑑定に失敗しました』
『エルローランダネル LV7 ステータスの鑑定に失敗しました』

 私の目の前には3匹仲良しこよしの魔物。
 こいつら本当にいつでもどこでも3匹なのね。
 でも、さすが下層というべきか、レベルがなかなか高い。
 10レベルで進化するとしたら、8のやつは近々進化できるかもしれない。
 まあ、そんな未来は訪れないけどね。

 私は気づかれないようにソっとその背後に回る。
 そしてここで登場の新兵器、投網!
 え、名前まんますぎる?
 いいじゃん、私だってそんな毎回毎回凝った名前思いつかないって。
 クモーニングスターは思いついた瞬間我ながらニヤリとしたけどさー。
 毎回毎回あのクオリティーを求められても困るわけよー。

 というわけで、投網ゴー!

 ただの投網と思うことなかれ。
 この新兵器、うーん、やっぱ名前ないと寂しいな、あ、説明?
 はいはい、こいつは飛ばした直後は一塊になって飛んでいくんだけど、標的のところに到達した瞬間、蜘蛛の巣がブワッと広がって相手を包み込むのだ!
 蜘蛛糸の繊細な作りに加え、操糸の巧みな操作によって成し遂げられる夢のコンボなのだ!

 3匹の魔物は為す術もなく網に覆われる。
 ははは。
 大漁大漁!
 あとはいつものように毒牙で止めっと。
 はい、ガブッ!

《条件を満たしました。称号『毒術師』を獲得しました》
《称号『毒術師』の効果により、スキル『毒合成LV1』『毒魔法LV1』を獲得しました》

 お?
 おお?
 称号ゲットキター!
 毒っすか、毒っすね!
 いやー、生まれてから今までずっと毒使ってきてようやくかー。
 この称号取るのむずくない?
 というか、今まで取った称号、みんな結構条件厳しそうなものばっかだよねー。
 称号って実は取るの難しい?
 まあ、もらえたんだからいっかー。

 で、スキルはっと、毒合成に毒魔法ねー。
 毒魔法は例によって例のごとく使い方わかんないから放置で。
 魔法の肥やしがまた増えたぜ。
 毒合成の方は、これもどういう効果があるのかいまいちよくわからんなー?
 毒合成ってことは毒作るって事?
 でも、私蜘蛛だから勝手に毒作られるしなー。

 と、いかんいかん。
 スキルの検証はとりあえず後回しだ。
 とりあえず残りの2匹も止めを刺して、とっとと処分してしまわないと。
 というわけで、毒牙でガブッとな。

《熟練度が一定に達しました。スキル『毒牙LV7』が『毒牙LV8』になりました》

 お?
 おお?
 おおお?
 今日は毒日和ですか?
 いいねいいね。
 レベル10が最高だとすると、レベル8って相当な猛毒なんじゃない?
 毒持ちのはずの蜂相手にも結構効いてたしねー。
 称号ゲットよりこっちのほうが嬉しいわ。

 よし。
 止めを刺した魔物3匹を岩場の陰に運ぶ。
 うぐ、私の貧弱ステだと、3匹も運ぶのは辛い。
 1匹ずつ運んだほうが良かったかもしれない。
 あれ?
 前にも似たようなことしなかったっけ?
 その時にも1匹ずつにすればよかったって後悔しなかったっけ?
 んー?
 私は知らない!
 そんな過去は知らない!
 決して私の記憶力が残念なんじゃない!
 そんな過去はなかった!
 いいね!?
 よし。

 とりあえず、食べながら毒合成のことちょっと試してみようか。
 て言っても、使い方わかんないから適当に念じてみるくらいしかできないんだけどね。
 というわけで、ささやき、祈り、念じろ、毒合成!

 と、本当に念じたらなんか出た。
 鑑定の時みたいに頭の中に画像が表示されるような感じだ。

『毒合成メニュー』
『弱毒』
『蜘蛛毒LV8』

 何これ?
 あ、でも、こうして表示されるってことは、鑑定が有効なはずだ。

『毒合成メニュー:毒を合成することができる』
『弱毒:非常に弱い毒』
『蜘蛛毒LV8:蜘蛛が分泌する致死性の毒。LV8は非常に強力』

 ふむ。
 蜘蛛毒は元々の私の毒か。
 で、多分だけど、毒合成レベル1で本来作れるようになるのが、弱毒なのかな?
 試しに弱毒を選択。
 私の目の前に水の玉が浮かび上がり、落っこちて地面に水たまりを作った。
 あちゃー。
 これ、入れ物か何かがないとダメなパターン?
 一応水たまりも鑑定。

『弱毒の水たまり』

 うん。
 ちゃんと弱毒らしい。
 なるほどー。
 つまり毒合成は素材とか必要なしに毒を作り出すことができるスキルなのか。
 人間だったらかなり便利そうだけど、私蜘蛛だしなー。
 使い方によっちゃ、役に立つかもだけど。
 うーん。
 ノーコストで毒を生産できるのは確かにすごいか。

 あ、いや、待てよ?
 MP減ってる。
 ノーコストじゃなかった。
 あー、一気に微妙度が増した。
 レベルが上がると合成できる毒の種類とか増えるのかもしれないけど、既に蜘蛛毒っていう強力な毒が作れるからなー。
 あんま魅力を感じない。
 けど、使い道があるだけいいよね。
 魔法系の全滅具合に比べたら全然有効でしょ。
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