挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
蜘蛛ですが、なにか? 作者:馬場翁
51/487

S6 ステータス

 扉をくぐると、広い会場が目に入る。
 扉からは一直線に赤い絨毯が伸び、その先に台座とその後ろに控えている男性がいる。
 壁際には大勢の人たちが静かにこちらの様子を眺めている。
 ここにいるのは、全て上級貴族に連なる人々だ。

 俺とスーは無言で絨毯の上を歩く。
 この日のためにレクチャーを受けた、威風堂々とした歩き方で。
 貴族の人たちの視線が突き刺さるが、なるべく意識しないようにする。

 やがて、台座の前にたどり着いた。
 俺とスーはそこで立ち止まり、膝をつく。
 台座の後ろに控えた男性、現国王であり、俺たちの父親でもあるメイジェス・デルア・アナレイトに向けて。

「これより、鑑定の儀を執り行う」

 威厳に満ちた国王の声が会場内に響く。
 父親といっても、俺はこの人に数える程しか会ったことがない。
 だからなのか、肉親というよりも、親戚の偉い人という感じの方が強い。
 そのせいで緊張感が半端じゃない。
 今も国王の話が続いているけど、なかなか頭の中に入ってこない。

「では、シュレイン・ザガン・アナレイト。立つが良い」
「はい」

 国王の呼びかけに応じて立ち上がる。

「鑑定を始めよ」

 数歩前に出て台座の前に置かれた踏み台に乗る。
 踏み台がないと俺の今の身長では台座に背が届かないのだ。
 台座には、黒い石が嵌め込まれていた。
 その石こそが鑑定石なのだが、思った以上に小さい。
 大人だったら手の平に収まってしまうくらいの大きさだ。
 俺は意外に思いながらも、鑑定石に手を乗せる。
 事前にレクチャーされていた通りに、鑑定と念じてみる。
 割とすんなりそれは成功し、俺のステータスが表示された。

『人族 LV1 名前 シュレイン・ザガン・アナレイト
 ステータス
 HP:35/35(緑)
 MP:348/348(青)
 SP:35/35(黄)
   :35/35(赤)
 平均攻撃能力:20(詳細)
 平均防御能力:20(詳細)
 平均魔法能力:314(詳細)
 平均抵抗能力:299(詳細)
 平均速度能力:20(詳細)
 スキル
 「魔力感知LV8」「魔力操作LV8」「魔闘法LV6」「魔力付与LV5」「魔力撃LV3」「MP回復速度LV7」「MP消費緩和LV2」「剣の才能LV3」「破壊強化LV2」「気闘法LV2」「気力付与LV1」「集中LV5」「命中LV1」「回避LV1」「視覚強化LV4」「聴覚強化LV7」「嗅覚強化LV2」「味覚強化LV1」「触覚強化LV1」「生命LV5」「魔量LV8」「瞬発LV5」「持久LV5」「強力LV5」「堅固LV5」「術師LV8」「護法LV7」「疾走LV5」「天の加護」「n%I=W」
 スキルポイント:100000』

 ステータスが見える。
 それと同時に、正面の壁に付けられたスクリーンのようなものに、俺にも見えたステータスの鑑定結果が表示される。
 このスクリーンは、鑑定石と繋がっており、その鑑定結果をこうして大画面に表示することができる。
 個人情報とかそんな概念、この世界にはないらしい。

 ざわめきが起きる。
 国王がそれを宥めようと声を出しているが、喧騒は収まらない。
 それだけ俺のステータスが規格外だったのだろう。
 俺としてはそれなりに予想通りの結果だったんだが。

 俺の魔法関連の能力値は相当高い。
 それはアナが太鼓判を押してくれた。
 それに比べて、肉体的な能力は年相応にしかない。
 いや、同年代に比べれば相当高いらしいのだが、魔法のように規格外というわけじゃない。
 なので、こんなアンバランスなステータスになっていた。

 スキルに関しては神言と呼ばれる声が、レベルが上がったり獲得したりするたびに教えてくれていたので、ほぼ知っていた。
 けど、俺も知らないスキルが2つあった。
 天の加護と最後の文字化けしたみたいな意味不明のスキルだ。
 俺はその2つのスキルが気になり、鑑定をしてみた。

『天の加護:天の加護に守られる。あらゆる状況で自身の望む結果が得られやすくなる』
『n%I=W:鑑定不能』

 なんだこれ?
 天の加護は凄まじい。
 まさにチートと呼べるスキルだ。
 ただ、得られやすくなる、っていうくらいだから、必ずしも自分の思い通りにはならないってことだ。
 すごいスキルだけど、過信は禁物だな。

 意味不明なのはもう1つの方だ。
 名前も意味不明なら、鑑定結果も意味不明だ。
 どういうスキルなのか全くわからない。
 最高の鑑定石でこの結果っていうのも意味不明だ。
 これでダメならこのスキルの詳細を調べることは、不可能だってことになる。
 本当に訳がわからない。

「あれは、公爵令嬢と同じ?」
「ああ、あの天才の」
「しかし、殿下も公爵令嬢と同じ、いや、それ以上の才能が」

 さっきから、ザワザワ騒ぐ貴族の言葉に、チラホラと公爵令嬢という単語が聞こえる。
 まさか、俺と同じくらいのステを持つ奴が他にもいるのか?
 スー以外にそんなやつがいるとは思えないが…。

「静まれ!」

 一際大きな国王の叫びに、流石に会場内は静かになる。
 国王は一枚の紙を俺に差し出す。
 この紙も、鑑定石と繋がった魔道具が写し取った鑑定結果を、印刷の魔道具で書き記したものだ。
 俺はそれを恭しく受け取る。
 そして、一礼して後ろに下がった。
 これで俺の鑑定の義は終了だ。

 次はスーの番になる。
 俺とほぼ同じ結果を出したスーに、会場がまたざわついたのは言うまでもない。
 ただ、俺と違い、スーには天の加護も、謎の文字化けスキルもなかった。
ステータス画面がもし見にくい、こうして欲しい等ありましたら、感想などにご意見をお寄せください
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ