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蜘蛛ですが、なにか? 作者:馬場翁
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280 戦後処理

 ワルドくんに任せていた砦の攻略は、吸血っ子の参戦ですぐにかたがついた。
 篭城してる人族に対し、吸血っ子は単身防御壁を乗り越えて中に侵入。
 阿鼻叫喚の地獄絵図を作り出して陥落させた。
 もうね、なんかね、やりすぎじゃね?
 私が言うのもなんだけど。
 なんかむしゃくしゃしてたらしい。

 そんなわけで、無血開城ならぬ、流血開城を果たした砦は、現在第十軍と第七軍の残党とで占拠中。
 生き残った第七軍の隊長格の人にそれは任せる方向で進め、第十軍は近いうちに引き返してくる予定。
 占拠つっても捕虜とかの生き残り少ないからね。
 人族が奪還しに来る可能性も無きにしも非ずだけど、向こうもゴタゴタしてるだろうし、すぐには動けないっしょ。
 なので、あんま人員を置いておく必要がないのよね。
 それ以上に、第十軍を来るエルフの里攻略に向けて、自由に動かせるようにしておきたいし。

 他の軍団も引き上げたり、奪った砦を占拠してたり。
 第二軍は攻め落とすはずだった砦が、おっぱい星人の策略で猿まみれになってるので、猿が魔族領になだれ込んでこないか見張ってる。
 まあ、これに関しては見張ってるという体をとって、おっぱい星人が戦力を手元に置いておきたいっていう思惑があるんでないかな?
 帰還したら無傷だけど、他の軍団の補充だとかなんだとかで人員引っこ抜かれたりして、再編せざるを得なくなるかもしれないし。
 だから、戻りたくないと。
 あわよくばそのまま戦力を保持しといて、魔王に対抗するとか考えてんのかもね。

 第三軍は落とした砦を占拠中。
 アホ巨漢は甘甘なんで、戦争だっていうのに倒した相手の兵士をちゃんと捕虜扱いして厚遇してる。
 そのせいで余計な手間暇を増やしてるから、しばらくは身動き取れないと思われる。

 第四軍は現在撤退途中。
 いち早く戦線離脱してるから、多分一番早く魔族領に戻ってくると思われる。
 まあ、率いてるのがメラだし、心配はいらない。

 第五軍も同じく撤退中。
 こっちは第四軍よりも被害が大きいので、途中の街でけが人の治療やら補給やらをしなければならない。
 特にけが人は多数出てるので、そのまま街で滞在することになるかも。
 どっちにしろすぐには動かせないだろうね。

 第六軍も撤退中。
 こっちは第五軍よりもさらに悲惨。
 大将のショタが討ち死にして、兵士もかなりの数を失った。
 完全に壊滅した第一軍を除けば、一番被害が大きいんじゃないかな。
 軍団としての立て直しはほぼ不可能なので、多分解体して他の軍団に人員を振り分ける形になると思う。
 まあ、第五軍と同様に、戻ってくるまでに時間がかかるだろうけど。

 第八軍は凱旋中。
 勝ったからね。
 撤退って言うのは違うと思う。
 けど、雰囲気は敗戦したのと同じくらい重い。
 鬼くんが鬼畜発揮して、戦場を地獄に変えてたからねえ。
 もとより地獄の戦場を、さらに奈落に突き落とすかの所業。
 怖や怖や。
 占拠すべき砦も破壊しつくしちゃってるし、その場に留まる理由がないので凱旋中。
 捕虜? いると思うかい?

 第九軍はそもそも出張ってないので、割愛。
 あれは魔王軍であって魔王軍じゃないから。

 ということで、現在自由に動かせるのは魔王直轄軍のみ。
 その魔王直轄軍は、魔族領の防衛戦力みたいな向きがあるので、やっぱりおいそれと動かせない。
 まあ、ぶっちゃけ防衛とか魔王一人いればそれだけでほぼ事足りるんだけどね。
 いざとなれば人形蜘蛛なり残ったクイーンタラテクトなりを召喚することもできるし。

 動かせる軍団がない。
 じゃあ、やることがないかといえば、そういうわけでもない。
 戦後処理という重要なお仕事がたんまりとあるんだよ。

 傷ついた兵士を癒すための薬だとか治療魔法使える人員だとかの現地への派遣。
 兵站の補給。
 被害状況をまとめて、生き残りの人数を把握することも必要。
 そこから再編計画を立ち上げて、次のエルフの里攻略に向けて動き出さないといけない。
 あげだしたらキリがないくらい仕事はたんまり。
 それらは全てフェルミナちゃんに丸投げしとこう。

「いや、手伝ってください」

 ガンバ!
 私には私のやるべきことがあるのだよ!
 イヤ、マジメな話で。

 この機に乗じて、外に出ているエルフとその協力者をできる限り始末する。
 エルフとその協力者は、なにげに世界各国にひそんでいる。
 魔族領に転移ポイントを作られている時点で、その行動範囲の広さはわかるというもの。
 向こうも転移が使えるわけだから、その根絶は容易じゃない。
 ていうか多分ムリ。
 けど、このタイミングでそれをすれば、多少の牽制にはなるはず。
 なんて言ったって、ポティマスが満を辞して投入したサイボーグボディを撃破してるんだから。

 それができる人員がこっちにはいるということを示した上で、構成員を減らされる。
 そうすれば、向こうは警戒するだろう。
 エルフの里に引き上げるにしろ、逆に攻勢にうって出てくるにしろ、何かしらのアクシャンは期待できる。
 エルフの里に引き上げるのなら、必死になって隠してるエルフの里への転移陣の発見。
 攻勢に出てくるのなら、更なるエルフの戦力分析ができる。
 どっちにしろ、プラスにはなってもマイナスにはならない。

 ふむ。
 せっかくだから、吸血っ子のレベル上げも兼任するか。
 砦を落として、吸血っ子のレベルもそこそこ上がっただろうけど、まだまだ伸びる余地はあるだろうし。

「というわけで、行くよ」
「だから! 何がというわけでなの!?」

 砦でワルドくんと一休みしてた吸血っ子を確保。
 これから世界中を転移して、エルフとその協力者の拠点を襲撃するぜ。
 プチ世界旅行やね。
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