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蜘蛛ですが、なにか? 作者:馬場翁
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251 鬼よりも怖い

 ど、どうしよう。
 くう、黒を封印してた異空間は、現世と時間の流れが違う。
 なので、異空間内の出来事を察知するのに時差が物凄くかかる。
 そのせいで黒が封印を解く前兆がわからなかった。

 どうする?
 どうしよう?

 1 カワイイ白織は突如反撃のアイデアがひらめく
 2 仲間が来て助けてくれる
 3 どうしようもない。現実は非情である

 うむ。
 答え3だな!

 イヤー、どうしようもないって。
 黒、私より強いし。
 そもそも2なんて、仲間いないし!
 はっはっは。

 さて、ふざけてないで真面目に対策を考えるか。
 といっても、やることは決まってる。
 もし敵対するなら排除。
 そうでないのなら、しばらくは様子見。
 できれば敵対してほしくはないけど。

 封印から脱出した黒は、吸血っ子と鬼くんの方に向かっている。
 ふむ。
 鬼くんを始末するつもりかな?
 とりあえず、吸血っ子は巻き込まないで欲しいけど。
 いつでも動けるようにしておくか。

 その吸血っ子だけど、鬼くんにいいように切り刻まれている。
 憤怒を発動させた鬼くんの攻撃をさばききれずに、徐々にダメージを蓄積させて行っている。
 未来予知と思考加速の黄金コンボも、避けられない速度で攻撃され続けたら意味がない。
 今は龍鱗の防御力で耐えてるようだけど、それもいつまでもつか。

 あ、首切られた。
 と、思ったら空中でキャッチしてくっつけた。

 スゲー!?
 そんなことできたんだ!?
 何それ、私もやってみたい!
 あ、イヤ、やっぱやめとく。
 痛そうだし。

 しかし、まあ、首切られるほど防戦一方。
 こりゃ勝負あったかな。

 ん?
 吸血っ子、なんかしようとしてる?
 まさか、嫉妬使う気じゃないでしょうね?
 使う気だな、こりゃ。
 このままじゃ殺られるとはいえ、それを使うのはいかんよ。
 後でお仕置きだな。

 まあ、それを発動することはない。
 その前に、黒が到着したのだから。

 吸血っこと鬼くんの間に降り立った黒。
 鬼くんが黒に切りかかるけど、一蹴。
 何を思ったのか吸血っ子が黒に朱海をぶつけようとする。
 オイ、バカ、ヤメロ!
 黒の結界が朱海を綺麗サッパリ消し去る。
 そんな攻撃が黒に通用するわけもなし。

 て、おい!
 吸血っ子、お前今嫉妬使ったな!?
 使ったよね!?
 何してんのさ?
 OSHIOKI確定だな。

 黒が吸血っ子の頭を掴む。
 下手なことをしたらすぐ助けに行けるように身構える。
 が、私の心配をよそに、黒は吸血っ子の意識を奪うだけにとどめた。

 そして、黒は鬼くんをボコボコにした。
 もう、ボコボコとしか表現できないくらい、一方的に嬲った。
 良い子は見ちゃいけない感じでボコボコ。
 魂の力がなくなってきたのか、再生も追いつかない。

 あ、憤怒が切れた。
 おおー。
 そうかそうか。
 憤怒も魂の力使って発動してんだから、元となる力がなくなれば発動も止まるわな。
 で、発動が止まれば、一応理性も元に戻るか。
 理性が崩壊してなければの話だけど。
 けど、その心配はなさそうかな。
 吸血っ子と戦ってる間の事を考えると、論理的な思考能力は残ってたっぽいし。

「これで満足か?」

 黒が私の分体に語りかけてくる。
 はて?
 なんのお話?

「わかっている。この鬼を殺せば、私は貴様とDを敵に回すことになるのだろう?」

 え?
 そんなことはないけど。
 ていうか、Dは絶賛お仕事中でこっちこれないけど。

「そうでなくとも、これは被害者だ。私が感じるこの怒りは、誰にぶつけていいものでもない。だからこれは私の八つ当たりだ。本当にどうしようもない、ただの腹癒せだ」

 ふうん。
 つまり、黒に今のところ私と敵対する意思はないと。
 それはいいことを聞いた。
 なんか色々と盛大に勘違いしてくれてるみたいで、私としては好都合。
 わざわざ訂正してやる義理もないし、このまま勘違いしていてもらいましょうかね。

 とりあえず、倒れた吸血っ子と鬼くんを空間を開いて回収。
 それを見届けたあと、黒は転移していった。
 転移した場所は、魔王のところか。
 私も行くべきかな。

 そろそろ魔王には私の最終的な目的と、その手段を教えておかなければならない。
 黒にもその一部は知っておいてもらったほうがいい。
 それを知った時の反応によって、黒の今後が変わってくる。
 どっちにしろ、最終的には私の前に立つだろうことは予想できるんだけどね。

 それにしても、黒、強いな。
 遥か格下相手でその力の全貌は全く見えなかったけど、その片鱗は見せてもらった。
 私の封印を予想よりもかなり早く打ち破ったのも見逃せない。
 これは、黒の評価を上方修正する必要がありそう。
 現時点で私と黒がぶつかった場合の、私の勝率は、20%ってところか?
 それも、黒の実力がまだわからないから何とも言えないけど。
 かなり高めに見積もってはいるけど、それすら超えてくる可能性もなくはない。

 現在の私の強さは、下位神の中でも下っ端も下っ端。
 それに対して、今回の件で見えた片鱗から予想する黒の力は、中位神一歩手前の下位神ってところか。
 普通だったら勝ち目なし。
 レベル1000の私が、レベル10000一歩手前の黒に挑む感じって言えば、その格差がわかる。

 けど、私は対黒を想定して自分の力を磨いてきた。
 力の総量では全く敵わないけど、私の能力はかなり特殊でとんがっている。
 その相性差で勝つしかない。
 いつものように。

 そう、いつものこと。
 格上相手、そんなのこの世界で生まれてからずっとしてきたこと。
 その度に私は糸と毒という搦手で勝ってきた。
 今回もそう。

 とはいえ、それはまだ先の話。
 魔王のところに転移する。
 そこでは、魔王と黒が待ち構えていた。
 さて、どう切り出すかな。
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