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蜘蛛ですが、なにか? 作者:馬場翁
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35 だからあれほど調子に乗るなとry

 ふんふんふーん。
 気分良く迷宮探索。
 いやー、調子のいい今の私ならそこいらの魔物なんて敵じゃないし。
 相手よりこっちのほうが先に敵を発見できさえすれば、奇襲でどうにでもできるしねー。
 そうでなくても、今なら真正面からでも戦えるんじゃないか?
 進化して大分強くなったはずだし、スキルレベルも相当高いし、前に蛙と真正面から戦った時みたいな無様な姿は晒さないでしょ。
 流石に確実に勝てるかって言われると、ちょっと不安になるけど、結構いけるんじゃないかなーとも思っちゃうんだよねー。

 それもこれも進化してからの成長ラッシュのおかげでしょ。
 スキルレベルバンバン上がるし、称号とかもガンガンゲットできたし。
 探知だけはちょっと残念な結果になったけど、それ以外は軒並みプラスに働いてるしねー。

 んー、思えばこの絶好調って、進化の後っていうよりかは、蛇を倒した後からじゃね?
 蛇を倒したからレベルが一気に上がって。
 蛇の亡骸があったおかげで食料が溢れてて。
 そのおかげで進化が安全にできて。
 そのあともフィーバー続き。
 おお!
 やっぱこの好調の始まりは蛇を倒したあとからだね!
 なんという幸運の蛇様。
 ありがたやーありがたやー。

 あ、分かれ道。
 右と、左。
 ここはいつも通り右に進、も、うん?
 なんか、すんごい嫌な予感がする。
 早くこの場を離れないとやばそうな予感が。

 チラッと左の通路の先を見る。

『エルローバラドラード LV5 ステータスの鑑定に失敗しました』

 わーい。
 蛇様だー。

 アホかー!?
 この前の蛇よりレベル低いけど、巣を張ってない遭遇戦で勝てるわきゃないでしょ!?
 うわ、あいつ私に気づきやがった!?
 しかも確実にロックオンされてるー!?

 逃げる!
 右の通路に逃げる!
 あんな化物とやってられるか!
 誰だそこいらの魔物なんて敵じゃないって言ったバカは!
 私だ!
 イヤイヤイヤ!
 あの蛇はそこいらの魔物じゃなくて明らかにボス枠でしょ!
 何普通の魔物みたいに気軽にポップしてくれちゃってるわけ!?
 アホじゃないの!?

 あわわわわ!
 後ろからすんごい追いかけてきてる音がするー!?
 速いよ!
 なんで私のスピードについてこれるんだよ!?
 私のスピード348よ!?
 これだけは他の魔物にも負けてないって思ってたんだけど!
 それについてくるってどんだけよ!?

 ゲッ!?
 前方に別の魔物!?

『エルローランダネル LV5 ステータスの鑑定に失敗しました』
『エルローランダネル LV4 ステータスの鑑定に失敗しました』
『エルローランダネル LV4 ステータスの鑑定に失敗しました』

 えええ!?
 こんな時によりにもよって3匹仲良しこよしの魔物じゃん!
 1匹だけなら横をすり抜けることもできるのに!
 3匹も並んでたらすり抜ける隙間がない!

 ど、どうする?
 どうすんのよ私!?
 あああ、迷ってる時間もないぃぃい!?

 ええい!
 イチかバチか!
 走るスピードをこのままに、壁に登る!
 ぬおおおおぉぉぉぉ!
 やった!
 やってやった!
 壁走り成功!

 3匹の魔物を越える!
 背後でものすごい音が聞こえたけど振り向かない!
 あの3匹がどんだけ時間を稼いでくれるかわからんけど、今のうちに私は逃げる!
 すまんな、通りすがりの3匹の魔物。
 これも弱肉強食の成せる技なんだ。
 私のために生贄になってくれ!

 ふはははは!
 3匹の魔物を生贄に無事生還してやったぞ!
 せめて冥福ぐらい祈っ…あれ?
 先の道が、ない?

 ちょちょちょ、ま、これ、ゲジの巣穴と同じパターン!?
 わわわわ!
 まずいまずい!
 スピードがつきすぎて急に止まれない!
 あ、あ、ちょ、あー!?

 思いっきりダイブした先は何もない空中だった。

 え?
 あー、これは、とんでもなく深くて広い穴ですねー。
 落ちたら死にますねー。

 落ちるー!?
 イーヤー!?
 紐なしバンジーとかシャレにならん!?
 紐?
 紐!
 蜘蛛糸カモーン!
 糸を壁面に打ち出してくっつける!
 よし、これで!

 ごふっ!

 あー、むっちゃ痛い。
 落下するのは止まったけど、反動で壁面に思いっきり体を叩きつけられた。
 あー、でも死ぬかと思った。

 蛇に追っかけられて、逃げ込んだ先が断崖絶壁でダイブするとか。
 このところ好調で調子に乗った罰が当たったのかな。
 あー、わかりました。
 反省します。
 反省しますから、さっきから聞こえてくるブーンっていう不穏な音をどうにかしてくれないっすかね?

『フィンジゴアット LV4 ステータスの鑑定に失敗しました』
『フィンジゴアット LV3 ステータスの鑑定に失敗しました』
『フィンジゴアット LV5 ステータスの鑑定に失敗しました』
『フィンジゴアット LV4 ステータスの鑑定に失敗しました』

 蜂だった。
 一度だけ見たことがある、巨大な蜂の魔物だ。
 それがこの縦穴の中に無数に飛び交っている。

 えーと、こんにちは?
 ごめんなさい!
 見逃してください!
 こっち見ないでマジお願いします!

 襲いかかってくる蜂を躱すには、これしかない!

 とう!

 再びのダイブ!
 落下、ただし今度の私はさっきとは違うぜ!
 壁面にくっついた糸に、弾力性を持たせてバンジージャンプのごとく安全に下に落下する。
 2,3回バウンドしたら、壁面に取り付いてまた糸をくっつけ直す。
 もういっちょバンジー!
 それを繰り返して最下層まで降りる。

 よし、地面だ!
 けど、まだ上空には蜂がウヨウヨいる。
 疲れた体に鞭打ってまた走り出す。
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