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蜘蛛ですが、なにか? 作者:馬場翁
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鬼VS鬼②

 体を貫くかのような不快感。
 私と同時に鬼人のほうも鑑定を仕掛けてきたみたい。
 けど、鬼人の鑑定レベルは2で、名前くらいしかわからないはず。
 最初の情報戦ではこっちのほうが有利に進められている。

 こっちは鬼人のスキルや称号がわかるけれど、相手にはそれがわからない。
 それは私が何を仕掛けるのか想像ができないことを意味し、逆に私は相手が何をするのかある程度の予想ができる。
 思考加速状態でさらに未来視を駆使し、その上でスキルから相手の次の攻撃を予想する。
 ご主人様が黄金コンボというだけあって、相手からすると卑怯とも言われかねないような回避能力を手に入れられる。

 鑑定結果を見ると、相手の属性が炎と雷に偏っているのがわかりますね。
 一応耐性は両方持っているけれど、炎の方は私の弱点属性。
 雷も得意とは言い難いし、気をつけないと。

 スキルで特に気になるのは、剣神と憤怒と幻想武器錬成。

『剣神:剣の極み。剣を使用時に動きに極大の補正が掛かる』
『憤怒:神へと至らんとするn%の力。自身の持つ神性領域を拡張する。理性を手放す代わりに戦闘能力を飛躍させる。また、Wのシステムを凌駕し、MA領域への干渉権を得る』
『幻想武器錬成:MPを消費し武器を生み出す。生み出された武器の質はスキルレベルと消費MP量に依存する。また、武器に特殊な効果を施すことが出来る』

 他にも閻魔なんてスキルがあるけれど、これはどうせ使えないから無視。
 予想通り、剣神は私も持っている「剣の英雄」のスキルの最終段階っぽいわね。
 剣の技量を高めるスキルだけれど、その最上級ともなると剣の腕では勝ち目がなさそう。
 それに、斬撃無効があるから、どっちにしろ剣の勝負では初めから負けているわ。
 私の武器は重量のある大剣だから、切れなくても叩きつけるダメージは入るだろうし、まだ戦いようはあるけれど。

 憤怒は、私の嫉妬と同じ七大罪シリーズのスキル。
 今はまだ発動させていないみたい。
 発動させたらどれだけステータスが上がるのかわからないけれど、ご主人様曰くのぶっ壊れスキルなのだから、相当上がるものと覚悟しておかないと。
 それでなくてもステータスでは負けているんだから。

 そして、最後の幻想武器錬成。
 鬼人が持つ刀、この世界にも刀ってあったのね、スキルの力で作られたものなのだとしたら特殊な能力が付与されているはず。
 両手に1振りずつ持った刀に意識を向け、鑑定を発動させる。

『炎刀朱雀:攻撃力3000、耐久9973、特殊:加護、火属性攻撃追加、自動修復、自動回復、魔力貯蔵:錬成によって生み出された剣』
『雷刀青龍:攻撃力3000、耐久9978、特殊:加護、雷属性攻撃追加、自動修復、自動回復、魔力貯蔵:錬成によって生み出された剣』

 なんて高性能な…。
 私の大剣も魔族の有名な刀匠が作り上げた逸品なのだけれど、それが見劣りするくらいの凄まじい性能だわ。
 そもそも特殊効果が5つも付いている時点でおかしいもの。
 特殊効果が付いている魔剣自体少ないっていうのに。

 それに、名称を見る限りあと玄武と白虎もありそうよね?
 まだ奥の手が残っているなんて、卑怯じゃない?
 あら?
 そういえば、どうして四神なんてものを知ってるのかしら?
 こっちの世界では四神の話なんて聞いたことないのだけれど。

 まあ、いいわ。
 そんなことより、今はどうやってこの化物を倒すかを考えないと。
 結論から言うと、近接戦闘は自殺行為。
 小手調べの一撃も簡単に防がれたし、そのあとすぐにステータスが上昇したのを見ると、バフをかけたのは明白。
 ステータスはどちらかというと魔法よりなのに、スキルの構成を見る限りでは近接戦の方に重きを置いている感じがするのよね。
 だとすれば、魔法と吸血鬼の特殊能力を駆使した中、遠距離戦が理想。
 撃ち合いに付き合ってくれれば私の勝ちが見えてくる。

 血霧を発動し、赤い霧が私を包み込む。
 さらに、水魔法を発動し、霧と混ぜ合わせる。
 赤い水が私の周りを囲む。
 ふふ、驚いているわね。
 これが私の編み出した吸血鬼の能力と魔法の力を合わせた戦法。
 魔法には酸攻撃の効果を乗せることはできないけれど、1度こうして血霧と混ぜ合わせて変質させると、その制限を解除することができる。
 詳しい理屈はわからないけれど、裏技みたいなものね。
 触れれば溶ける、強酸の津波。
 それが、私の思うままに形を変えて襲いかかる。
 朱海と、ご主人様が命名したこの技。
 私の主力武器の1つ。

 その刀では防げないでしょ?
 だから鬼人の選択肢は、避けながら私に近づいて接近戦を挑むしかない。
 私はそれをさせないように、距離を保って迎撃する。

 そう、予想していたのに。
 鬼人がとった行動は私の予想を裏切るものだった。
 何もない空間から無数の剣が出現する。

『爆裂剣:攻撃力2500、耐久100、特殊:火属性攻撃追加、自壊、飛剣:錬成によって生み出された剣』

 あ、やばいわ、これ。

 本能的に朱海で体を覆う。
 次の瞬間、無数の剣が飛来し、盾にした朱海に突き刺さる。
 そして、爆散。
 朱海が半分くらい吹き飛ぶ。

 まるでミサイルだわ。
 ちょっと、それは反則なんじゃない?
 近接戦だけじゃなくて、ちゃんと遠距離戦も強いじゃない。
 これじゃ、話が違うわ。

 けど、どうしてかしらね。
 楽しくて仕方がないわ。
 幻想武器錬成、そのスキル1つで私の予想を覆す戦術を駆使してくる。
 次は何が飛び出してくるのか。
 なんだか福袋を開ける時みたいなワクワク感があるわ。

 次は、何を見せてくれるのかしら?
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