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蜘蛛ですが、なにか? 作者:馬場翁
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冒険者の噂話

「オッス。おはよう」
「おはようじゃねーよ。もう昼だろうが」
「気にすんな」
「そんなんだからいつまでたってもランク上がんないんだろーが」
「つっても、昨日は帰ってきたの深夜だぜ?少しは休ませてくれっての」
「ああ、ヒミクワの討伐だったか?」
「そうそう。あいつ強くはないけど逃げ足だけは速いから、半日以上追いかけっこしてやっと仕留めたのが深夜。もうクタクタだってーの。むしろこの時間に起きてきた俺偉い」
「言ってろ」
「そういえば、今日はルクッソたちはいないんだな」
「ああ。なんでも森でオーガが見つかったって話でな。それの討伐任務に行った」
「オーガ?ここいらでは珍しいな」
「だろ?ギルマスははぐれのオーガがどっかから流れてきたんじゃないかって」
「だとしてもおかしくないか?ここらへんでオーガが出るところなんてないよな?」
「ないな。ま、どっから来たとかそこらへんは俺らが考えるこっちゃねーよ。珍しい獲物だから、今頃森の中じゃ、オーガ争奪戦が始まってるだろーよ」
「あー、だからこんなにギルドが閑散としてるのか」
「そういうこった」
「お前は?」
「うん?」
「お前はなんで行かなかったんだ?」
「面倒だった」
「おい」
「いや、俺昔いた場所では結構頻繁にオーガ退治してたしよー。今更っつうか。だったらかわいい後輩たちに譲ってやろうかなーってな」
「はいはい。言い訳言い訳」
「んだよー。じゃあ今から行くか?」
「行くわけないだろ。そんなこぞって行ってるのに、俺らが今から行っても間に合う訳無いだろ」
「だな。どこのパーティーが仕留めるか賭けるか?」
「やらん。そもそも俺、今回誰が参戦してんのかも知らねーし」
「ルクッソのメンバーだろ、コハンところに、アギリス、クワス、レゲン、それから」
「まだいんのかよ」
「Cランク以上はほぼみんな参加したんじゃねーの?」
「オーガ1匹に過剰戦力すぎる。あーあ。そのオーガもかわいそうにな」
「オーガDランクだもんなー。進化してんのならまだしも、聞いた話じゃただのオーガだっていうし」
「オーガが進化するとどうなるんだっけ?」
「1段階目がファイター、レンジャー、シャーマンの3種類。ゴブリンと一緒だな。で、2段階目がハイオーガ。3段階目がオーガジェネラル。4段階目がオーガキング。キングまで行くと危険度B。大抵は群れを率いているから規模によっちゃ、Sランク相当になったりもするな」
「ほー。見た目的には変わるのか?」
「変わるな。進化する事にでかくなる。ただのオーガは人と大して変わらんから見分けるのは簡単だ」
「さすがAランク冒険者。博識ー」
「おだてても何も出ねーよ。それにお前も同じAランクだろーが」
「いやー、俺ってこの街から出たことがないからさー。オーガとか見たことねーし」
「興味あったか?」
「多少は。ここらへんで人型の魔物っていったら、魔の山脈のゴブリンくらいだからな」
「ゴブリンか。それに比べたらオーガはやりやすいわな」
「ゴブリンは単純なステータスでは測れないからな。場所も場所だし」
「山登りしてて遭遇したらそりゃ、厄介だな」
「魔の山脈でしか採れない薬草とかの採取クエストで、1度は体験する悪夢だわな」
「俺、それで逃げ帰ったことあるわ」
「それが正解だろ。群れる上に武闘派の魔物なんて、相手してたら命がいくつあっても足りない」
「魔の山脈の限られた地域にしか出ないのが救いだな」
「だな。そういや、魔の山脈の麓に村が出来てたの知ってるよな?」
「ああ。帝国が魔の山脈を開拓するとかなんとかで作ったやつだろ?俺は行ったことねーけど」
「そこな、潰れたらしい」
「はあ?なんでだよ?」
「さあ?俺も詳しいことは知らねーんだけど、魔の山脈にクエストに行った連中が、村が潰れてるの発見したそうだ」
「やっぱ、魔の山脈の開拓なんて無理だって引き上げたか?」
「わからん。俺もチラッと聞いただけだから。あそこ、魔の山脈に行く時は便利だったから、潰れると困るんだけどなー」
「潰れちまったもんはしょうがねーだろ。まさかとは思うが、ゴブリンに潰されたとかはないよな?」
「それはねーだろ。あそこにいるブイリムスって軍人、相当な使い手だぜ?」
「そんなか?」
「ああ。あれは少なく見積もっても俺らと同じAランククラス。下手したらSランククラスかもしれねえ」
「そりゃスゲエ。やっぱ帝国の軍人ともなると違うな」

「ギルマス!ギルマスはいるか!?」

「ん?なんだ?」
「さあ?って、ルクッソじゃねーか」
「ホントだ。おーい!お前オーガ退治に行ってたんじゃなかったのか?」
「ゴトーさん、ネッグさん!大変だ!大変なんだ!」
「オイ、落ち着けって」
「そんなに慌ててどうした?」
「落ち着いてられるか!あいつ、あいつが!」
「あいつ?」
「オーガだ!オーガに、みんな、みんな!」
「オイ、どうした。何があった?」
「オーガにみんな殺されたんだ!!」
「何?」
「ちょっと待て。オーガにだと?」
「そうだ!あいつ、ただのオーガじゃなかった!みんな、みんな殺られちまったんだ!」
「ギルマス呼んでくる」
「ああ。頼んだ」
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