挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
蜘蛛ですが、なにか? 作者:馬場翁
28/496

26 脱ヒッキー計画

 蛇を倒してから何日かたった。
 ダンジョンの中にいると、日付の感覚がわからないからどんくらいたってるのか正確には分かんないけどね。
 その間食っちゃ寝生活をしてる。
 蛇はなかなか食べ終わらないし、新しい食料が網に引っかかって来てしまうので、動くに動けないのだ。
 最初はちょっとした休暇のつもりだったんだけど、これはまずいかもしれない。
 このままではヒッキーに逆戻りしてしまう!

 チラッと、ここ何日かで仕留めた獲物の山を見る。
 山、そう山だ。
 けして山田ではない。
 そういえば前世のクラスに山田君っていたな。
 イヤイヤ、今はそれどうでもいいから。

 とにかく、そこには獲物が山になって積み上がっている。
 網に引っかかってる魔物を片っ端から仕留めていったらこうなっていた。
 マイホームにいた頃は、獲ったそばから食べてたんだけど、蛇を食べ終わるまでは手をつけられないし、とりあえず保管しとこう、で、こうなった。

 蛇みたいに糸を突破してくる猛者はいなかったので、楽に仕留めることができた。
 中にはレベル6と、なかなかに強い魔物もいたんだけど、そいつも今は山の一部になってる。
 まあ、レベルが高くても強いとは限らないけどね。

 私のレベルは9だ。
 レベルだけで言えば蛇と互角。
 でも、戦闘能力では蛇の方が圧倒的に強い。
 それどころか、レベルの低い魔物にも、糸なしでは勝てない自信がある。

 思うに、強さを測る上で一番重要になってくるのは、種族なんじゃないかと思う。
 たとえ同じレベルでも、相手の種族の方が上等なものだったら、勝ち目はないんじゃないだろうか。
 あくまでレベルの上下で優劣が決まるのは、同じ種族が相手の時だけな気がする。
 極端な話、私が知ってる中で、おそらく一番強いであろう巨大蜘蛛がもしレベル1でも、私が勝てるわけがない。
 レベル1だろうがあの巨体が相手じゃ、どう頑張ったところでプチっとやられて終わりだ。
 レベルの高さはあくまで参考程度に考えておいたほうがいいと思う。

 そう考えると、私と蛇との間には、レベル差以上の開きがあったことになる。
 実際、簡易ホームを作ってあるときに出くわしたから何とかなったものの、何の準備もなしにエンカウントしたら、私に勝ち目はなかった。
 相当運が良かったと言える。

 その蛇は現在体の四分の三が私の腹に消えている。
 あの巨体を四分の三も食べたと考えるべきか、まだ四分の一も残ってると考えるべきか。
 山のように積み上がった魔物の死骸もあるし、まだ四分の一も残ってると言ったほうがいいかも知れない。

 これだけの備蓄があると、食べる前に腐り始めるかも知れない。
 まあ、私には腐蝕耐性があるし、腐った物食べたところでお腹を壊すことはないだろうけど。
 むしろ、ちょっとくらい腐ったほうが、スキル上げにいいかもしれない。
 味?
 毒持ちだとかのくっそ不味いもの食い続けてんだから、今更ちょっと腐った味くらい我慢するわ。

 うむ。
 やっぱこの大量の食材を全部消化せんことには、ここから動けない。
 蛇さえなんとか食べ終われば、他の魔物はそこまで大きいのもいないし、なんとか減らしていけると思う。
 というか、頑張って食べきらないと、本当にヒッキーに逆戻りしてしまう。
 ここも、簡易ホームのつもりだったのに、滞在期間が増えたせいで前のホームと同じくらいの規模になりつつあるし。

 ん?
 待てよ?
 ホームが立派になってるから余計に獲物が引っかかっちゃうんじゃないか?
 んー?
 イヤイヤ。
 流石に魔物だって見るからに堅牢な我がホームを襲おうとは思わんでしょ。
 前のマイホームは獲物を引っ掛けるのも目的にしてたから、糸はなるべく見にくいようにしてたけど、今のここは防御主体にしてそんな細工はしてないし。

 とか思ってたら、糸から伝わる振動。
 網にまたなんか引っかかったっぽい。
 おうふ。
 また食料が増えてしまう。
 まさかこんな飽食で困る事になるなんて想像してなかった。

 とりあえず引っかかった獲物のところに行く。
 結構強い力で暴れているっぽいし、大物でもかかったのかな?
 そうなるとまた一歩引きこもり期間が長くなっちゃう。
 なるべくならちっこいのがいいなー、なんて、贅沢な悩みだよね。

『エルローランダネル LV3 ステータスの鑑定に失敗しました』
『エルローランダネル LV3 ステータスの鑑定に失敗しました』
『エルローランダネル LV4 ステータスの鑑定に失敗しました』

 引っかかってたのは3匹の魔物だった。
 あー、前のホームの時にも3匹同時にかかってたやつだ。
 この魔物は3匹ワンセットなんだろうか?
 しかし、大物がかかってるの以上に量があるかもしれない。
 主にお肉的な意味で。

 とりあえず、糸を追加で拘束を強くして、網ごと魔物3匹を抱える。
 この網ごと外すのは、ここに来てから覚えた新技だ。
 いちいち網の一部を切り離さなくてもいいから便利だ。

 新しい網を設置し直して、魔物を抱えてホームの中心に戻る。
 う、流石に3匹もいると重い。
 面倒くさがらずに、1匹ずつにすればよかった。

 どっせい!
 あー、重かった。
 体が痛くなっちゃったじゃないか。
 ていうか、地味にHPも減ってるし。
 くそう、この怒りはこいつら自身に償ってもらおう。
 かなり理不尽な気がするけど気にしない。

 というわけで、ガブッ、ガブッ、ガブッ!

《経験値が一定に達しました。個体、スモールレッサータラテクトがLV9からLV10になりました》
《各種基礎能力値が上昇しました》
《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》
《スキルポイントを入手しました》
《条件を満たしました。個体、スモールレッサータラテクトが進化可能です》

 …なんだって?
活動報告に質問回答コーナーを上げました。
今後、感想返しなどは活動報告に上げていこうと思います。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ