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蜘蛛ですが、なにか? 作者:馬場翁
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192 海釣りぱーと2

 海です。
 釣りです。
 泳ぎ?
 しません。
 してません。
 クロールしようとして蜘蛛型がひっくり返って溺れかけたとかありません。
 ないったらない。

 水に沈まないって恐ろしい。
 想像して欲しい。
 浮き輪を腰につけた状態で、逆さまに水の中に突っ込む状態を。
 しかも、その浮き輪は取れないのだ。
 足をジタバタさせても空を切るばかり。

 死ぬかと思った。
 私不死だけど。
 ああ、いや違う。
 死にそうになったなんて事実はありません。
 きっと幻覚でも見たんでしょう。
 この華麗なる私が海で溺れて死にかけるなんてあるはずがないじゃないですかー。
 あはははは。

 さて、不幸な事故のことは忘れて釣りをしよう。
 前回同様適当な餌をつけて糸を海に投げ込む。
 ヒット。
 釣れた釣れた。
 相変わらずこの海は入れ食い状態やね。

 重い手応え。
 これは、大物の予感!
 あれ?
 この海で大物ってダメじゃね?

 案の定、釣れたのは水龍だった。
 レベル23だそうだ。
 地龍ゲエレとほぼ同じくらいの強さだそうだ。
 それが私に一本釣りされて浜に打ち上がっている。

 あー、ああ、うん。
 確かにレベル高いし能力値も高い。
 スキルも結構あるしゲエレとほぼ同じ強さで、結構強い。
 とはいえ、今の私ならまともにやりあっても余裕で勝てる相手だ。
 まともにやっても。

 水龍というだけあって水の龍なわけだ。
 海の中で生活してるだけあって、水中での戦闘力は高いわけだ。
 それが、陸に上がるとどうなるのか?

 答え、浜辺でビタンビタンのたうっております。

 この水龍、よりにもよって水中特化タイプだったらしい。
 陸上に適応できてない。
 さながら打ち上げられた鯨みたいな様相になってる。
 もう、私と戦う以前の問題で、放っておいても死にそう。
 それでいいのか水龍?

 前に同じように釣り上げちゃった水龍は水陸両用タイプだったんだけどなー。
 水龍も進化した種族によってタイプが変わるっぽいね。
 地龍なんか同じ種族の奴がいなかったし、龍はオンリーワンなのかもしれない。
 まあ、そうじゃなくても、地龍見れば種類多いのはわかるし、それなら水龍の種類が多くても不思議じゃない。
 その数多ある種類の中に、完全に水中に適応して、陸地に対応してない種がいても不思議じゃない。

 むしろ多いかもしれない。
 前回釣り上げた水竜タイプの魔物はみんな地球の海の生き物をモチーフにした魔物だった。
 当然陸地には対応してない。
 そこから進化した水龍も、陸地に対応してない種が多いんじゃないか?

 水中なら無類の強さを発揮するけど、陸地では無力。
 地龍がステータスとんがった戦術特化タイプだとすれば、水龍は海というフィールドを味方につけた環境特化タイプってところか。

 そんな益体もないことを考えていたら、水龍がいよいよやばくなってきた。
 もう跳ね回る気力もないらしく、ピクピクと痙攣している。
 HPもだいぶ減ってる。
 このままいけばあと数分で死にそう。
 あれか?
 エラ呼吸じゃないとダメなのか?

 うん。
 私は見なかった。
 さて、釣りの続きをしよう。
 何事もなかったかのように糸を再度海に投げ込む。

 釣れたのは、前に召喚士が召喚してきたフグもどきだった。
 あー、こいつも一応水竜のスキルはあるから、水竜っちゃ水竜か。
 しかし、毒持ちかー。

 待てよ?
 前の時は細かいことができなくて毒のある内臓ごと食べたけど、今の人型の手ならうまいこと内臓だけ取り出せるんじゃないか?
 物は試しだし、やってみよう。

 鎌でまずは薄く腹を切る。
 その切れ目に人型の手を突っ込み、押し広げる。
 中身を掻き出す。
 フグの毒って内臓のどこら辺にあるのか知らんし、とりあえず全部の内臓を取り出す。
 いい感じじゃね?

 試しに分離した身の方を食べてみる。
 おお、いけるいける。
 毒食べた時のあの独特な苦味とかがない。
 さっぱりした味わいだわ。

 は。
 しまった。
 美味しいからついつい全部食べちゃった。
 保存食作るという目的が、つまみ食いに変わってしまった。

 まあ、いっか。
 焦る必要はないしね。

 魔王はまだ地龍と絶賛バトル中。
 多分今日中には決着がつくと思う。
 つまり、今日はまだ余裕が有るってこと。
 最下層から這い出てくるまでにも何日かかかるだろうし、転移駆使して逃げ続ければ問題なし。

 今日は1日釣りしてのんびり過ごそう。

 しかし、この内蔵どうしよう?
 状態異常無効があるからこれ食べても問題はないけど、不味いってわかりきってるものを食べるのもなー。
 うむむ。
 けど、お残しは私の主義に反するし。
 鱗だとかの明らかに食えねーよって部分ならともかく、毒物だけど一応食べられるしなー。
 毒物は食べ物じゃないと思うけど、生まれた瞬間から毒物食い続けてきたし、いまさらだよねー。

 よし。
 食おう。
 うえ、不味。
 フグ毒って強力だって言うしなー。
 この世界の毒は地球とはもの自体が違うけど、猛毒攻撃のスキルレベルが4もあったし、相当強い毒ってことに変わりはないよなー。

「自ら毒を食らうのは趣味なのか?」

 そんな趣味はありません。
 これはお残しをしないために、仕方なく食べてるだけです。

 ん?
 どちら様?

「久しいな」

 振り返った先には管理者ギュリエディストディエスが佇んでいた。
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