挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
蜘蛛ですが、なにか? 作者:馬場翁
199/487

152 ぶらり蜘蛛一人旅

 晴れ渡る青い空。
 生い茂る緑の木。
 溢れ出る赤い血。

 うむ。
 外って素晴らしい。
 迷宮の中って暗くて岩ばっかで色の変化ってもんがなかったからね。
 中層とかはある意味絶景だったけど、それ以上に殺伐としてたからね。
 こうやって外に出て、空の青だとか植物の緑とか、この世界に生まれてから初めて見たよ。

 え?
 血?
 そんなもん見飽きたって。
 迷宮の中には緑色の血とか出す魔物もいたんだよ?
 あの緑と今見てる緑とじゃ、価値が違うと私は思うんだ。

 え?
 だから血?
 気にすんな。
 ちょっとおいたした兵士さんがモザイクになってるだけだから。

 はい。
 囲まれました。
 検問所突破したら次は砦だった。
 いやービックリ。

 迷宮から出てくる魔物ってどんだけいるんだろ?
 けど、砦建てるくらいだし、結構な頻度で出てきたりするのかな?
 まあ、正確には建ってた、が正しいんだけどね。

 ぶっ壊しちゃった。
 てへ。
 ああ、うん。
 だって、ねえ?
 そりゃ、攻撃されたら反撃するでしょ。
 その攻撃が砦に当たれば、壊れるでしょ。
 ほら、私間違ったことしてない。
 無罪を主張する。
 だからギュリギュリ来ないでね。

 しっかし、脆い砦だわなー。
 アラバだったらあの程度の魔法じゃほとんどダメージ食らわんよ。
 あれと比べるのは酷かもしれないけど、それにしたってちょっと魔法乱打しただけで崩壊するってどうなのさ?
 耐震構造が聞いて呆れるわ。
 いや、耐震構造なんてないだろうけど。

 崩壊した砦のあっちこっちから下敷きになった人の血が流れてる。
 流石にここからわざわざ掘り起こしてまで食べるのはめんどくさいなー。
 結構食べてお腹いっぱいだし。
 いいや。
 放置で。

 レベルもまた3も上がったし、邪魔者もいないし、これでようやくゆっくり散歩ができる。
 では、初の外の世界を見て回りますか。

 うーん。
 どっちにいこうかなー。
 砦の先には結構大きな道がある。
 道なりに進んでいけば街か何かに着きそう。

 ちょっと空間機動使って上空へ。
 上空から周りを見渡す。

 おー。
 道の先に街っぽいものが見える。
 案外近い。
 道を外れると右側は平原。
 左側は平原がちょっと続いて、その先にだんだん木が増えていって森になってる。

 で、後ろを向くと、しばらく平原が続いて、森になり、さらにその先に山が見える。
 大陸と大陸を繋ぐって言うから、てっきり出口は海の近くにあるのかと思ってたけど、意外にも内陸にあるっぽい。
 遠くに見える山を越えたら海かな?

 どうしよっかなー。
 流石に街に行くのはやめておこう。
 襲って来る分には容赦しないけど、無抵抗の住人を虐殺するほど私も鬼じゃない。
 ただの住人だと経験値もそんなに高くないだろうし。

 人間の食料には興味あるけど、ここでいらん騒ぎを起こすのもねえ。
 既に砦ぶっ壊しちゃったから手遅れな気もするけど、気にしたら負けだよね!

 となると、右の平原か、左の森か、背後の山か。

 山にするか。
 山って言ってもさほど高い感じはしない。
 標高1000メートルあるかないかくらいかな?
 山を越えたら海があるんじゃないかなーと思うので、観光がてらブラブラしてみよう。

 山なら迷宮にいないような魔物もいるかもしれんし。
 鹿とか、熊とか、猪とか。
 迷宮の魔物に比べれば美味しそうじゃない?
 それに、あわよくば山の幸も味わえるかもしれん。
 キノコとか果物とか。

 キノコは毒が怖い、なんてのは昔の話。
 覇者の称号でゲトした状態異常耐性のおかげでなんともないぜ。
 なんてたって、睡眠無効を始めとした状態異常系の耐性を全部統合して、一気に状態異常無効まで進化しちゃったんだから。
 ふふふ。
 毒があろうがなかろうが、今の私に食えぬものはない!
 ただ、生のキノコって美味いんだろうか?
 そこはやっぱ焼いて食べたいなー。

 海についたら海の幸も堪能してみたい。
 中層にいるような似非海産物じゃない、れっきとした魚介類をね。

 あ、ちなみに、召喚士が使役していた四神(笑)のフグこと水竜だけど、やっぱりフグだった。
 身は美味しいんだけど、毒のある部分はやばかった。
 毒抜きとかできればよかったんだけど、私の蜘蛛の体じゃ、そんな器用なことできないし。
 アラクネになれば手も使えるようになるから調理とかできるかも。
 前世ではほとんどインスタント物しか飲み食いしてなかったけど、一応簡単な料理くらいならできるし。
 まあ、それができるようになるのはまだ先のことだけどね。

 調理かー。
 火魔法とか覚えたら簡単なものなら出来そうだけどなー。
 私相変わらず火には弱いから、火魔法も取得に結構なスキルポイント要求されるんだよなー。
 まあ、仕方ない。
 料理のためだけに貴重なスキルポイント使うわけにもいかないし、火魔法はどっかで誰かが使ってるの見て、地道に覚えていこう。

 海についたら、遊泳なんてスキルもあるし、それを取得できるまで泳いでもいいなー。
 空間機動が水中でどこまで機能するかも実験してみたい。
 多分溺れはしないと思う。
 前世では体動かすの自体が苦手だったから、泳ぎもそんなに得意じゃなかったけど、カナヅチってわけじゃなかったし。
 蜘蛛が泳げるのかどうかは知らんけど。
 きっと大丈夫。
 多分、恐らく、きっと。

 そういうことで、レッツらゴー。
 意気揚々と出発。
 目指すは山の幸と海の幸!
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ