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蜘蛛ですが、なにか? 作者:馬場翁
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14 なんということでしょう改築編

 兄弟の襲撃から少し時間が経った。

《熟練度が一定に達しました。スキル『蜘蛛糸LV5』が『蜘蛛糸LV6』になりました》

 糸で遊んで、げふん、もとい、糸を使って修行をしてたらスキルレベルが上がった。
 いやー、レベルが上がるまでめっちゃ苦労したわ。
 おかげでマイホームの中が真っ白になったくらい。

 我がマイホームは最初の時に比べると、だいぶ様変わりした。
 まず張ってある網の量が増えた。
 前まではT字路の交差点から、ちょっと離れたところに上下の網をひと組ずつ張ってただけだけど、今では通路の先の分かれ道まで、何組も網を張ってある。
 ひと組だけだと、この前の兄弟みたく、侵入や突破を許してしまうかもしれないと考えた結果だ。
 これだけの蜘蛛の巣の網を突破するには、それなりの時間がかかるはず。
 これでマイホームの安全度は一気に上がった。

 そこまでやってもスキルレベルが上がらなかったから、今度は壁の装飾をしてみた。
 壁一面に糸を張っつけていって、白く塗りつぶしていった。
 もちろんタダの装飾なんかじゃない。
 この壁紙糸は、張ってある網と連動していて、網に獲物がかかると、自動で壁から離れて相手を包み込むように調整してあるのだ。
 色々と試行錯誤を加えて完成させた、自慢のトラップである。

 壁紙糸を張り付け始めた頃に、スキルレベルが1上がった。
 壁紙糸を全て張り終えたあと、最後に設置したのは、目に見えないほどの極細の糸を、マイホーム中に少しずつ張り巡らせることだった。
 この糸には粘着力は持たせていないし、触れればすぐ切れる。
 放っておいても空気の流れでそのうち自然に切れてしまい、壁紙糸に吸収されてしまうというものだ。
 ここまで細い糸を出せるようになったのは、スキルレベルが5になったからだと思う。
 この糸の効果だけど、索敵のためのものだ。
 糸の先は私に繋がっていて、糸が触れたものは、それがどんなものなのか、私に伝わるようになっている。
 前に後ろが見えないから不便だと言って、そのうち開発しようと思っていた索敵糸がこれだ。
 今はマイホームの中にいれば背後を気にする必要はないので、それならばとマイホーム中に張り巡らせることにした。
 ゆくゆくはこれを遠隔操作できるようにして、マイホームの外の探りをしたい。

 で、ここまでやっちゃうと、流石にやることがなくなって、糸をただ無駄に溜め込む作業をしているところで、ついにスキルレベルが6に上がったのだ。
 おかげで上質な絹糸みたいな高級感あふれる糸が、毛玉にされて無造作にいくつも放置されてたりする。
 これ、人間に売りつけたら結構いい金額になりそうだなー。
 まあ、人間の織物産業がどんなもんなのかわかんないけどねー。

 ちなみに、そんだけの量の糸を出せば当然お腹が空く。
 というわけで、網に引っかかった哀れな獲物さんたちは残さずいただきました。
 どうにもここらへんにいる魔物はみんな毒持ちらしい。
 毒牙でもなかなか死んでくれない。
 まあ、網に拘束した時点で私の勝ちは揺るがないんだけどね。
 それでも、糸なしでやりあったらと思うと、うん、ムリだね。
 なんせこっちの決め手である毒牙でも、ずっとぶっ刺してないと効いてくれないんだから。
 そんな長時間、糸で拘束してなきゃこっちが反撃でやられちゃう。

 おかげで毒牙のスキルレベルは4に、毒耐性のスキルレベルは5にまで上がった。
 毒耐性が上がったおかげかどうかわかんないけど、毒持ちの魔物のあの苦味が逆に癖になってきたくらいだ。

 私がこれまでに倒した魔物は、『エルローランダネル』が3匹、『エルローペカトット』『エルローバジリスク』『フィンジゴアット』が各1匹ずつだ。
 どれも網に引っかかったところを糸でさらに拘束して、毒牙で仕留めた。
 エルローランダネルは小型の恐竜みたいな魔物で、3匹いっぺんにやってきたから焦った。
 まあ、3匹とも見事に網に引っかかってくれてたから苦労はしなかったけどね。
 エルローペカトットはペンギンとペリカンを合わせたような胴体に、猿みたいな腕を持った奇妙な魔物だった。
 フィンジゴアットは蜂みたいな魔物で、異様な程大きく、3メートルくらいあるこの通路を埋め尽くすくらいの巨体だった。
 そのせいで余計網にかかりやすかったけど。

 一番やばかったのはエルローバジリスクだ。
 でっかいトカゲみたいな外見の魔物だったんだけど、バジリスクと名がつくとおり、石化攻撃をしてきやがった。
 多分おとぎ話と同じ、石化の魔眼だったんだと思うけど、私の前足が1本石化させられてしまった。
 石化の進行速度がものすごく遅かったおかげで、なんとか倒すことはできたけど、恐ろしい強敵だった。
 その後レベルアップして脱皮するまで、石化した足で過ごさなきゃならなかったので辛かった。
 石化耐性のスキルをゲットできたから、収支としてはプラスかもしれないけど、一番最初の蛙と同じか、それ以上に危なかった。

 あ、サラっと言ったけど、私レベルアップしました。
 しかも3つ。
 今はレベル5です。
 スキルはわかってるのだけで、『毒牙LV4』『蜘蛛糸LV6』『鑑定LV2』『禁忌LV1』『外道魔法LV1』『毒耐性LV5』『酸耐性LV2』『腐蝕耐性LV1』『石化耐性LV1』だ。
 レベルが3も上がったのに、スキルレベルはそこまで上がってない。
 鑑定なんてLV2から全く上がってないし。
 思ったよりレベルアップによる熟練度ボーナスは少ないみたいだ。

 あと、一番最初のレベルアップの時には聞き逃してたけど、スキルポイントもレベルアップすると増えるっぽい。
 ただ、その量もだいぶ少ないみたい。
 スキルポイントを入手したって天の声(仮)が言ってるのを聞いたときはテンション上がったけど、そのあとなんかスキルを取得できないかどうか試してみたけどダメだった。
 こういう時の定番スキル、アイテムボックスだとか、あれば便利そうな自動再生とか、ありそうなスキルを片っ端から頭の中に思い浮かべてみたけど、取得できるスキルはなかった。
 そもそもそんなスキルがないときは天の声(仮)は反応すらしてくれないし、スキルが存在してたとしても、

《スキルポイントが不足しています》

 という答えが返ってくるだけだった。
 スキルを取りまくって無双!とかできない仕様らしい。
 私が思っている以上に、スキル関連の制約は厳しいようだった。
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