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蜘蛛ですが、なにか? 作者:馬場翁
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106 鰻再び

 わお。
 ここやべえ。
 私の目の前には一面に広がる巨大なマグマの湖。
 そして、道がない。

 これは道を間違えたか?
 と、思ったけど、この中層はかなり横幅の広い1本の大きな通路がずっと続いている構造になっている。
 その横幅がだいたい1キロくらいあるから、通路と呼ぶのは間違ってる気がするけど。

 そういうわけで、先に進むにはこのマグマの湖を超えなきゃならない。
 幸いなことに、道はないけど、所々に小さな島がある。
 私の跳躍力なら島と島の間を飛び移ることならできるし、最悪天井を進むってこともできる。

 これ、私だから突破できるけど、人間には無理じゃね?
 やっぱり人間の限界は上層までだろうなー。
 北海道を超える規模の面積にまたがって展開される迷宮とか、普通に考えて攻略できるわけないでしょ。
 それこそ勇者とか英雄とか伝説級の力でも持ってないとね。
 そんなのがいるかどうかも知らんけど。
 案外管理者に気に入られた美青年とかが特別な力とかもらってたりして。
 うわ、それずるい。
 もしそんなのがあれば私にもくれ!
 ダメですか、そうですか、当たり前ですよねー。

 あー。
 ちょっと現実逃避したわ。
 突破できるっていうのはね、あくまで渡るだけならって条件が付くんだわ。
 ここの何がやべえって、魔物がわんさか潜んでることだね。

 このマグマの湖、広さもさる事ながら、深さも相当深い。
 深いところでは200メートルくらいの深さになる。
 マグマってそんなに詰まってたらどっかしら冷えて固まらんの?
 とか思うけど、実際はこうしてでっかい湖を形成してるんだよねー。

 で、その広くて深い湖の中に、魔物がいっぱい。
 これが雑魚ならいいんだけど、中にはやばそうなのも混じってるわけよ。
 私の探知圏内で鰻らしき魚影がちらほら。

 ヤベーわ。
 魔物無視して行きたいところだけど、今までの経験上、こういう危険ゾーンでは絡まれそう。
 足場悪い。
 逃げ場ない。
 落ちたらボッシュート。
 強敵多数。

 あきませんわー。
 これあきませんわー。
 私の危険感知がビンビンに反応してますわー。

 けど、ここを突破しないことには先に進めないっていうね。
 もう何この迷宮?
 攻略させる気無いでしょ?
 死ねと?
 神は言っている、ここで死ぬ定めと。
 管理者、お前の仕業か!?

 ハー。
 よし!
 行こう。
 なるべく戦闘は回避する方向で。
 作戦、がんがんいこうぜ、変更、いのちだいじに。

 ということで、まずは一番近い島にジャンプ。
 華麗に着地。
 したところにザバーっと現れる鰻。

 オイィィィィィ!?

 だがまだ慌てるような時間じゃない!
 鰻は強敵だけど、今の私なら倒せるはずだ!
 けど、ここは安全第一で逃げるのがいいか?

 体担当、魔法担当、どうよ!?
[足場狭いしきつい。逃げるに一票]
{賛成。わざわざ不利なフィールドで戦う必要はないっしょ}
 よし、逃げるぜ!
[イエッサー]
{サポートするわ}

 というわけで、逃げるんだよー!
 と、思ったんだけど、何やら鰻の様子がおかしい。
 こっちの存在には気づいているはずなのに、一向に攻撃してこようとしない。
 いや、攻撃しようとした体勢で固まってる。
 んー?

[情報担当、これ麻痺ってね?]
 あ、それだ!
 そうだったそうだった。
 レベル5になった時に麻痺の邪眼手に入れてたわ。

 最初は死滅の邪眼か石化の邪眼かにしようと思ってたんだけど、やっぱりやめて麻痺の邪眼を取った。
 理由は、私自身が麻痺を実体験して、そのやばさに気づいたからだ。
 あれやばい。
 動けないんだもん。
 そのせいで死にかけたし、というかHP的には死んだし。

 死滅の邪眼も攻撃力を取るならありっちゃありだけど、腐蝕攻撃の仕様からして自分にもダメージ入りそうで怖い。
 それに、雑魚にそれ使っちゃうと、死骸が残らないから食べることができなくなる。

 石化の邪眼も同じ理由。
 流石に石は食えませぬ。
 それに、石化は石化蜥蜴にやられたから知ってるけど、あれ、確かに厄介は厄介なんだけど、効果が出るまで結構時間がかかる。
 相手の体の一部が石化するって、確かに相手からしたら嫌な効果だろうけど、私からするとメリットあんまないんだよねー。
 一部を使えなくするとか、それなら体全部止められる麻痺のほうがいいじゃん。

 というわけで、第2の邪眼は麻痺に決定した。
 これも呪いの邪眼と同じで、発動中はMPを消費する。
 けど、両方同時に発動してても、魔導の極みと飽食の効果でむしろプラス収支だったりする。

 あ、飽食のストックだけど、あれ、なんと自動回復も自然にストックしてくれることがわかった。
 超便利。
 おかげでHPもちょっとずつ貯まってきてる。
 HPの方は熱ダメージで入りが悪いけどね。

 MPの方はガンガン入るから、その分ガンガン使うようにしてる。
 MP消費して身体能力を一時的に底上げする魔闘法なるスキルがあったので、試しに魔力を体の中で循環させてみたら割とあっさりスキルが取れた。
 今は常時これも発動させてる。
 同じ効果で、MPの代わりにSPを消費する気闘法は、SPのストックと相談して時々発動させてる。

 あとは魔法も影魔法を中心に魔法担当が常時何かしら発動させてる。
 今は鰻に向かって毒魔法ぶっぱなしてるけど。
 鰻はそのまま麻痺した状態で毒を受け、さらに呪いでジワジワ削られた挙句に力尽きた。

《経験値が一定に達しました。個体、ゾア・エレがLV6からLV7になりました》
《各種基礎能力値が上昇しました》
《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》
《熟練度が一定に達しました。スキル『糸の才能LV3』が『糸の才能LV4』になりました》
《スキルポイントを入手しました》

《経験値が一定に達しました。個体、ゾア・エレがLV7からLV8になりました》
《各種基礎能力値が上昇しました》
《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》
《スキルポイントを入手しました》

 せっかくのお肉を沈めるのもあれだったので、糸を使ってなんとか陸に引き上げた。
 火に燃える糸を素早く取っ替え引っ替えしてようやくって感じだ。
 戦闘よりむしろこっちのほうが大変だったかもしれない。

 あれだけ苦戦した鰻が、こんな簡単に仕留められるとは。
 私もすげー強くなったもんだ。
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