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9話「クーラー」

暑い夏……。

欠かせないのがクーラーである。


そんなクーラーが8月になって201号室から消えた。


《201号室》


「暑い熱い厚い……でも寒い……終羽里君、熱いコーヒーを入れてくれないかね?」

「兄さん、暑さのあまり頭のネジが溶けてるわ……」

「うぅ……誰だ、我が家のクーラーを持っていったウ〇コ野郎は?」

「兄さん、暑さのあまり禁止用語が自然に出たわ……」

とりあえず冷蔵庫を開けて涼しんでからコーラを1本取り出して飲むことにした。

「兄さん、それは刺身醤油よ……」

「うがぁぁ!どーして冷蔵庫には刺身醤油と鶏肉しか無いんだぁぁ!」


……ん?鶏肉?


少しずつ冷静になっていく俺は妹に聞いてみた。

「妹よ……前にピョン太が人間の魂を吸うフクロウを逃がしてしまったのだが、もしかして食べたんじゃないだろうな?」

「うん、食べ…………知らないわ」

食したなコイツ!

しかも冷蔵庫に堂々と保存!

「あ……後で本人に聞いたんだが、そのフクロウを食べた者はどんな魂も吸う能力を覚えるそうだ」


すると開けていた窓からネコが入ってきた。

そして妹の横を通り過ぎると……。

「うにゃああああ!」

魂を抜かれたかのように倒れた。

「兄さん、朝食が手に入ったわ……」

あぁ……妹がさらに強くなってしまった。


……ピンポーン。

「ん?誰だ?」

玄関のドアを開けるとチャールズが立っていた。

「此似手完助!君に極秘任務の参戦を任命すル!」

「……は?」

いきなり戦場ですか!?

訳も分からないまま俺はチャールズに首根っこを捕まれて101号室へ……。

妹も後ろから付いてきた。

部屋の中はまるで軍の会議室……壁にはマシンガンなどが飾られ、机の横には大きな地球儀。

「極秘任務とはコレであル!」

チャールズが指す床には見慣れたクーラーが。

「あーー!Myクーラーじゃねぇ〜か!テメェが盗んだのかチャールズ!」

「失敬ナ!盗んだのではなイ!クーラー型爆弾を作ろうとしたが失敗して爆弾を取り外せなくなっただけダ!」

よーするに盗んで勝手に爆弾を取り付けたバカ軍曹ってことだな。

「兄貴!恥を承知で頼みます!一つの国を買えるほどの値段はする爆弾なんです!取り外しに協力を!」

鈴木が俺の背中に抱き縋る。

この軍曹が国を買えるほどの金を持っているとは到底思えんが……。

「何で俺なんだ!あんたらプロじゃないのかよ?」

「我々は設置専門のため取り外しは論外ダ!」

バカとしか言いようがない。

「他の人に頼んだ方が?」

「住民の皆さんは外出中です!」

タイミング良すぎだろ!

「兄さん……」

そうだ!妹がいたんだ!

「なんだ妹よ!」

「頑張って……」

こんな時だけ応援側ですか!?

マジ断って逃げたいが、俺にマシンガンを向けるチャールズ。

すでに選択肢は存在していなかった。

「残り5分ダ」


時限式!?

「や……やっぱり無理だ!俺にはできん!」

俺の肩に手を置く妹。

「末代まで呪うわよ兄さん……」

「頑張らせていただきます」


しかし何をすればいいのだ?

刻々と時間が迫る。


……バァァン!

101号室のドアを蹴破って立花姉妹見参!


もちろん蹴破ったのは麗華ちゃん。

「今日こそ101室は頂きますわ!」


bad timing !

死地におもむいてしまった!

「姉さん、お願いだから大人しく102号室へ帰りましょ?……ね?」

がんばれ恵理華ちゃん!姉を止めろ!

「恵理華!女にはやらねばならない時というものがありましてよ」

「そ……そーなの?」

まさかの納得!

「フッフッフッ見なさい、この素晴らしい波紋を……あまりの破壊力の恐ろしさで今は作られていない名刀コレクションNO.103『花鳥戦光かとりせんこう』!今日はこの子(刀)の試し斬りに持って来いですわ」

「受けて立ちましょウ!サムライガール!」

バトル開始!……と思いきや、俺と目が合う麗華ちゃん。

「あら?居ましたの完助」

「できれば居たくありませんでした……」

「見たところクーラーの故障のようですわね、私に任せなさい……こんなの私のチョップ一発で直りますわよ」

事態は最悪!

そして、さようなら俺!

「立花流無刀奥義!機械襲利きかいしゅうり!」


……ガン!



チュドーーーーン!



※この物語はフィクションのはずです……。

そして

「クタビレ荘の生活」

はまだまだ続きます。

気合いとノリで……。

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