表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/38

3話「回覧板・立花家編」

なるほど……このアパートは容易な考えで生きていけそうになさそうだ。

すでに101号室でアレだからな……

まだ回覧板も何故か俺が持ってるし、

「なんとかなるよ」

と妹に励まされるし。


102号室

立花家


ピンポーン……

「は、はい!」

戸を開けて現れたのは普通の女の子。

髪を二つに括り、右目に眼帯……料理をしてたのかエプロン姿で制服、たぶん女子高生だな。

そして恥ずかしがり屋なのだろう、モジモジしながら俺を見ている。

「どちら様ですか?」

「あ……え〜と今日から201号室に住むことになった此似手完助と妹の此似手終羽里です」

「よろしくお願いします……私は立花恵理華たちばな・えりかです」

いや〜可愛らしい女の子だな〜。

それも二人も……


……二人??


立花恵理華が二人いる!後ろに!立花恵理華の後ろで刀持って鬼のような形相で俺を見ている……

あ〜よく見れば眼帯は左目に付けているけど。

もしかして双子姉妹ってヤツなのかな?


「ストーカーね?」

「え?」

「あなた恵理華のストーカーですわね」

「……はい?」

彼女は刀をゆっくりと抜き始めた。

「ちょ……姉さん違うの!この人は空き部屋だった201号室の」

刀女は恵理華ちゃんを押し退けて俺の方に向かってきた。

「黙りなさい恵理華、ちょうど通販で購入した私の102本目の名刀『藻紋牙ももんが』の試し斬りがしたかったところですわ」


刀も通販で買える時代ですか!?


「やめて!麗華れいか姉さん!」

すでに麗華は恵理華の声など聞こえちゃいない。

「チャールズとかいう男に101号室を取られてイライラしていたところでしたの……ストーカーさん、この子(刀)に血を吸う快感を味あわせてくださいな……」

刀からオーラが見える!そして麗華が悪魔のような笑みを浮かべた……その瞬間!

「チェェェェストーー!!」

「うがぁぁぁぁぁ!」

気持ち悪いくらいブサイクな避け方で避けた俺は尻餅をついた。

「あわわわわ……」


「よく避けましたわね……しかし!」

再び麗華は刀を振りかざした。

「立花流奥義!怒羅魂・土裸射舞!!(ドラゴン・ドライブ)」

結局は俺に刀を振り下ろすだけで技でもなんでもない!

「う……うわぁぁぁ!」

俺は死を悟って体を丸くした……もうダメだ!


「…………?」

あれ?俺死んでないぞ?

上を見上げた俺が目にしたものは!

妹が片手の指二本で刀を止めている姿だった!

この場でも見せた妹の人間離れした身体能力!

刀はピクリとも動かない!

「は、離しなさい!」

「離したら兄さんが死ぬから無理」

「生意気な!ググググ……」

麗華が更に力を加えたその瞬間!

……ベキッ!!

見事に藻紋牙が折れた。

「私の藻紋牙ぁぁぁぁぁぁぁ!!」


放心状態になった麗華を抱き上げて恵理華ちゃんは俺達にお辞儀をして家の中へ入っていった。

また回覧板渡しそこねた……



☆プロフィール

102号室

立花麗華

年齢……16歳

※双子の姉。左目に眼帯。刀好き。何故か101号室の座を狙う。


立花恵理華

年齢……16歳

※双子の妹。右目に眼帯。姉の世話で大忙しな少女。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ