2話「回覧板・チャールズ家編」
突然……
そしてアッと言う間に決まったアパート暮らし。
運がいいように思えた俺だが……しかし!
これは破綻の始まりでもあった。
101号室
チャールズ家
「うぐっ!さっそく嫌な予感……」
チャイムを押すことをためらう俺を無視して妹はチャイムを5回鳴らす。
何故5回なんだ?
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポ〜ン……
……カチャ
戸が開く音によく似ているが、これは銃を構える音!
ズドドドドドド!!
「うおぉぉぉぉ!」
玄関の戸に無数の穴が空いた。
銃の弾丸が一発……俺の頬を掠める。
家の中から一人の軍服を着た男が戸を蹴破り俺を片手で押し倒してマシンガンを頭に押しつけた。
「戦場ならキミは死んでいル……」
チビった……俺は約500mlチビった!
つーか出た!
「私は軍を作るため、有益で優れた者が必要なのダ……しかしキミは不合格だナ」
軍服の男はサングラスを外し俺に言った。
「そんなこと知るか!アー〇ルドシュワルツェネッガーみたいな顔しやがって……俺は新しく201号室に住むことになって挨拶かねて回覧板を渡しに来ただけだ!」
「む……本当かね鈴木二等兵?」
アーノ〇ド似の男の背後に貧弱そうな体の男が立っていた。
なんでコイツは軍人として合格なんだよ……明らかに俺の方が強そうじゃないか。
「ハッ!チャールズ軍曹……この者は嘘はついていません!探知機に反応無しであります!」
「そうか……なら信じよう、私としたことがキミを敵のスパイと勘違いしたようダ」
敵って誰だよ!
「ぬぉォ!」
ガチャン!
……と、いきなりチャールズと言う男は驚きのあまりマシンガンを落とした。
「なんと優越な……キミこそ我が軍にふさわしイ!」
チャールズの瞳の先を見ると、妹が弾丸を3発……指の間に挟んでいた。
身の危険を感じて弾丸を指で止めたようだ……
お前は本当に俺の妹か!?
「スバラシィ!ミラクルな瞬発力ダ!」
俺のことは完全に無視……
チャールズは終羽里を軍に勧誘し始めた。
「すみませ〜ん」
一人の男がチャールズ家を訪れた。
「鈴木さ〜ん!注文の品をお持ちしました〜」
「あぁ東野さん待ってたッス……」
どうやら運び屋のようだが、胸ポケットに書かれてる文字がスゲー気になる。
『やりすぎ宅急便』
何を!?
運びすぎということか!?
それとも一般的に運ばないような物でも運んでいると言うのか?
「チャールズ軍曹!注文の‘C4爆弾’手に入りました!」
「よし!すぐに次の作戦に移るゾ!」
「イェッサー!」
犯罪者がココにいる!
「すまないがお嬢さん!入隊の件は後日と言うことで失礼するヨ」
「……はぁ」
……バタン……
戸を閉めるのを確認して東野という男は走り去った。
「妹よ、まさかとは思うが入隊の話……」
「うん興味はある」
ハハ、汗が止まりそうにないな。
☆プロフィール
101号室
チャールズ
年齢……約30歳
※戦争好きの男
鈴木良平
年齢……17歳
※チャールズの部下
高校生