あの日は…月が、紅かった、
俺は見た、殺人現場を、
あの日は寒い、冬の夜だった、
俺は、殺人現場を見た、
それも、普通の事件では無い、
連続、猟奇的殺人、ワイドショーでも問題になった事件を、
俺は見た、
暗闇の中、とある山間部の廃倉庫の前、
悲鳴が聞こえた、
女性の悲鳴が、
そのあと、銃声が一つ、
それ以降、悲鳴は聞こえなかった、
俺は恐くなった、
ただ、勇気を振り絞って、中を覗いてみた、
横の、窓から、
そこには、紅い月に照らされた、殺人犯が見えた、
そこには、ワイドショーで聞いた、死体を…ばらしている、犯人が見えた、
鋸で、血を浴びながら、一心不乱に、醜い笑顔を浮かべ、汗をかきながら、死体をばらしている犯人が、
俺は恐かった、
足がすくみ、逃げれなかった、
恐かった、足は動かなかった、
何度も、何度も、何度も、何度も、足を動かそうと念じた、
だが、動かない、
全く、動かない、
やがて、犯人は、腕を、一本、切り落とした、
そこで、犯人は、一息ついたのか、切るのをやめ回りを、見渡した、
その、目の先には、俺がいた、
俺の足は言う事を、ようやく聞いた、
俺は屈んだ、
そして、急ぎ、逃げた、
この闇夜だ、懐中電灯にも照らされず、見えなかっただろう、
ただ紅い月が…恐かった、
ある程度、逃げると、後ろを振り返った、
そこには…
紅い月に照らされた、犯人が、こちらを見て、薄く…醜く…そうして、滑稽とも思える、笑いを、浮かべていた、
数日が起った、俺は、忘れようとした、
だが、やつは、忘れさせてはくれなかった、
ある日、やつが、現れた、
夜中に、
家の前に、犯人が、
俺は逃げた、
ひたすら逃げた、
そして、あの廃倉庫についた、
犯人は、あの、醜い笑いを浮かべ、迫って来た、
俺は逃げた、
そのには、先日の、血が、残っていた、
パン、と、銃声が響いた、
そこには、犯人の死体がある、
その前には、俺が、銃を握っていた、
また、やってしまった、
俺は、前から、恐かった、
また、人を殺してしまうのを、
だが、血を見た俺は、とまらなかった、
そうして、俺は、殺人鬼に、なった、
あれから、また、殺した、
沢山、沢山、沢山、沢山、
そうして、ある日、俺の、殺人を、見られた、
その時も、紅い月が出ていた、
俺は、探した、
俺を見た、やつを、
そうして、見つけた、
夜、家に行った、
目撃者は、逃げた、
俺は、追い掛けた、
あの、廃倉庫に、
そこで、俺は悟った、
全てを、
パン、また、銃声が、響いた、
そこには、俺の死体、
その前には、醜い笑いを浮かべた、目撃者、
紅い月が、俺を、照らしていた、
紅い月は、連鎖する、
やがて、ある日、廃倉庫を、不動産関係者が、訪れた、
そこには、沢山の死体があった、
白骨化した遺体、腐乱した遺体、まだ、新しい、遺体、
そして、その床は、血が染み付き、一面、真紅だった、
発見者は、警察に連絡した、
ただ、それらは、
精巧に出来た、人形だった
その中で、
いくつか、本物の遺体があった、
男の遺体が、
それらは、皆、痩せ細り、
眉間を打ち抜かれていた
紅い月は、連鎖する。
連鎖する。 |