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#九八 文化祭・期待感
「柊、行こうぜ」
 豊が声を掛けてきた。昨日と同じように皆が登校したところで朝のミーティングが行なわれ、それぞれ今日仕事があるもの、自由に文化祭を廻る者と分かれていく。
 俺は演技部の映画『モーニング・ムーン』を観るために豊、月島、そして朝倉と視聴覚室へ行った。
「あ~楽しみぃ」
 朝倉が言った。
「あれ?舞衣には何も聞いてないのか?」
「うん、真っ白な状態で観たかったから。それにこの前去年の話をあなたと舞衣から聞いて余計に楽しみになったわ」
 あの時の会話か…。あれで朝倉にとってハードルが高くなっていなければいいのだが…。
「何?知り合いが出てるのか?」
 俺と朝倉の会話に豊が入ってきた。
「うん…妹がね…」
 それに朝倉がテレながら答えた。
「へー、麻梨子の妹が出てるの!」
 月島も驚いている。
「朝倉って妹居たのか?」
 豊が訊ねる。
「うん、居るよ」
 答える朝倉。
「そうかぁ…」
 そう言う豊。俺はその一瞬浮かべたいやらしい表情を俺は見逃さなかった!
(コイツ何考えてるんだ!?)
 急に俺は何故か恐怖心を覚えた…。
「結構並んでるんだな…」
 今日二回目の上映だが、視聴覚室の前にはもう既に数十人が列を作っていた。
「ま、俺たちは前売り券があるから何人並んでようが問題ないけどな」
 豊が自分の手柄のように得意げに言った。
「ねぇ、どんな内容なの?」
 月島に訊ねられたが、
「いや、観てからの楽しみだと思って何も知らないんだ」
「ふ~ん。麻梨子も?」
「うん」
「前売り券を持ってる人はこちらにどうぞ~」
 演技部員らしき生徒が違う入り口の前で叫んでいた。
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